茶屋のだんぢり漫遊録

目次

浅野太鼓探訪記。日本一の太鼓屋さんへ行ってきたぞぉ~!!

全国1000万人の地車愛好者の皆さん、お元気ですか?
泉州堺のだんじり馬鹿、通称「だん馬鹿」っすチョキ

今日の「だん通」は、私 だん馬鹿が3月末に訪れた、当サイトの『太鼓Q&A』でおなじみ、太鼓一筋400年、石川県白山市の《浅野太鼓》探訪記をお届けします。

その前に、前回の「だん通」で紹介した宝塚市小林の地車についての続報ともいえるものが、本日更新の『だんじり eo Special Edition』『だん通 eo SE』でご覧いただけます。
こちらは、eo のPCオフィシャルサイト。PCでしかご覧いただけないと思いきや、『eo biog モバイル』でケータイからもご覧いただけます。実は私も最近知ったのですが・・・・(笑)。
PCをお持ちでない方は、ケータイで『だんじり通信 eo Speciai Edition』をご覧下さい!!

>>『だん通 eo SE』を見る

さて、前回は宝塚市小林の地車を紹介したのですが、このほど小林の破れた大太鼓の皮を《浅野太鼓楽器店》で張り替えられました。

去る3月31日(水)、その太鼓の音合わせがおこなわれるとあって、宝塚市在住のN君と一緒に同店を訪れてきました。
私の住む堺では、桜の花も満開。しかし、霊峰白山は真っ白に雪化粧。
これまでにも、浅野太鼓のことはブログでも何度か取り上げましたが、私が同店を訪れるのは初めて。

午前6時に宝塚のN君宅を出発。しばし下道を走り、中国吹田ICから高速に乗り、一路石川県白山市を目指す。
途中、名神多賀SAで休憩をとり、北陸道美川ICを出て約5分、国道8号線水澄町交差点のすぐ横、(株)浅野太鼓の看板が見えてきた。
所用時間4時間30分。途中休憩や下道を走らなければ、大阪市内からでも3時間余りで到着できる距離。意外と近い。

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車を駐め、まず目に飛び込んで来るのが、巨大工場を思わせる作業場と倉庫、そして無造作に置かれたような巨大な欅の原木たち・・・・。

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これだけでも、そんじゅそこらの太鼓屋さんとは違う!

まずはショールームを訪れる。ショールーム内には、大小様々な和太鼓をはじめ、和太鼓関連グッズ、神輿・曳台・獅子頭などの祭礼用具、太鼓関連ビデオ・CD・書籍などが所狭しと並べられてていました。
待つこと数分、十八代当主 浅野恭央 社長の登場である。匠とは、約2週間振りの再開。
お茶をいただきながら、あれやこれやと談笑。お元気そうでなによりなにより・・・・。

さてさて、次は工場へと案内していただくことに。
さっそく目に飛び込んできたのは、太鼓の胴の数々。

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新調されたものもあれば、張り替えのものも。数えればキリがない。
大阪市内や泉州地域ではおなじみの、胴に金属プレートを貼り付けた某太鼓店製の大太鼓も多数張り替えにやって来ている。
奥の方には、ひときわ巨大な胴が横たわっていた。私の身長以上もある口径にビックリ!

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中に入らせていただき、思わず記念撮影と相成った。

次は、太鼓の皮を張る作業場へ案内していただきました。
私たちの今日の目的は、小林の太鼓の音合わせに立ち会うこと。
その太鼓は、片面に皮が乗せられ、皮の縁に木の棒を通し、ロープで引っ張り、ジャッキの上げ下げで皮の張り具合を加減できるようにしてありました。

まずは、その状態で試し打ち。
同行のN君が調子を見ながら叩き込んでいきます。
私の住む泉州地域と違い、宝塚方面では横積みで叩き方もバチで太鼓の皮を押さえ付けるような叩き方。
張り具合もまったく違うようで、ジャッキを幾度と上下させ、やっとのことで思い通りの音色の出来上がり。

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ちなみに、常にPCで音の高低などを波形にしてチェック。
創業慶長14年、この道400年の浅野太鼓さんも、ハイテク兵器を導入されているんです。

さて、片面の音合わせが終わったところで、後は鋲を打って皮を固定していきます。
社長自ら、鋲打ち・・・・。

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やはり社長とて、400年の歴史ある太鼓店の当主。匠の技を継承していくだけあって、手慣れたもの。次から次へと鋲を打っていきます。
これで、一連の作業は終わり。もう片面は、後日、張り終わった面の音色や張り加減を元に張り上げるとか。

ちょうど、お昼。近所のうどん屋さんで食事。その間も太鼓についていろいろと話をお聞きしました。
今から十数年前、名古屋の中京テレビ制作、日本テレビ系列で放送された『ワザあり!にっぽん』という番組で浅野太鼓が取り上げられていたのを再放送で見て、「すぅ~ごい太鼓屋さんがあるもんやぁ~」と感動してたのが昨日のように思い出されます。
当時は先代兄弟が、第一線で活躍中でした。今もお元気でご活躍とのことでした。

社長は午後からは商用で出かけられるとのことで、私たちは併設されている『太鼓の里資料館』を見学。

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和太鼓はもちろんのこと、世界各地の珍しい打楽器などが展示されていました。

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太鼓演奏や和太鼓の製作過程を撮影したビデオなども上映されていました。
ここでは、鏡で6尺(約180センチ)はあろう大太鼓の試し打ちができます。

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下手な叩き方をすれば肩を痛めると聞いていたのですが、幸いなことに大丈夫でした。

私たちはこの後、木彫の里、富山県井波へ強行軍で行く予定にしていましたので、2時頃には浅野太鼓を後にしました。

近年、大阪・泉州・南河内で脚光を浴びつつある『浅野太鼓』。
伝統の匠の技を引き継ぐ、十八代当主 浅野恭央 社長のご苦労も大変なものでしょう。

なかなか見る機会のない、皮を張る作業・音合わせの立ち会うことができ、なかなか有意義な一時でした。
また機会があれば、訪れてみたいものです。

皆さんも、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
祭りには、なくてはならない太鼓。今以上に、親しみを感じること間違いなし・・・・。

信濃屋お半だんじり通信
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