茶屋のだんぢり漫遊録

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60数年ぶり、別の町で復活!




今年は人類史上、最も暑い夏になる・・・

宇宙開発機構NASAが、地球規模でそんな発表をした時には、ワタクシなんかは恐れおののき、戦々恐々とした思いで夏を迎えましたが・・・


いざフタを開けてみれば何ですか。

例年通りの夏じゃないの。
むしろ朝晩の涼しさ、日中の湿気の少なさは、例年になく過ごしやすい夏なのではないですか?




そんな今年の夏を、各地の夏祭が駆け抜けている真っ最中ですが・・・



前回まで続いていたご案内シリーズをちょっとお休みして、今回はこんなだんじりをご紹介してまましょうかね~?


こちら!



大阪市は旭区の、中宮のだんじりです。


そういえば、昨年も同じような時期にご紹介したと思いますが、実はここ中宮、今年だんじりが入れ替わりました。



昨年のブログでは、生野区の『岡』の先代だんじりを曳いているとしてご紹介しました。



そのだんじりは今年の3月、都島区の内代のだんじりが修復を完了した入魂式の時に、中宮がそれをお祝いすべく駆けつけた時までは、ここ中宮のだんじりとして活躍していました。




それがこの夏、こちらのだんじりに入れ替わりました。




これは、八尾市・杵築神社にて、長年にわたり眠りについていた、佐堂の先代だんじりです。




佐堂に、永年にわたり曳かれず仕舞われているだんじりがあることは、ワタクシ自身も古くから知っていました。

平成14年に、佐堂の方々のご協力で見学会が開かれたことも知っていましたが、その時はワタクシは参加できず、このだんじりを拝見したことはなかったのです。



当サイトのだんじり紹介ページを参照して頂くと、昭和26年の製作で大工は飯田松太郎、彫師は松田正幸となっています。

飯田松太郎、松田正幸のコンビは、戦後の苦しい時代に数々のだんじりを生み出していますが、この佐堂の先代だんじりもその1台。



しかし佐堂では5~6年ほど曳かれただけで、昭和30年頃からは曳行が中断されてしまい、祭礼日には小屋から出して飾り付けをされるのみになっていました。



曳行されていない中でも、佐堂に於いては大切に保存されてきたのですが、ついに今年、佐堂から旅立つ事になった様です。




このだんじりにとって、約60年ぶりの曳行復活の場所となった旭区・中宮は、永らく手作りの屋台だんじりを曳行して来ましたが、生野区『岡』の先代だんじりを個人の手を経由して数年間曳行したのち、このだんじりを購入するに至りました。




おそらく修復らしい修復は経験せずに今日に至っているだんじりだと思うので、ゆくゆくは正式な修復が必要ではあると思いますが、中宮としては、このだんじりを通じてさらなる地域の活性化を目指して、これからも夏祭、秋祭の両祭礼にて活躍させたいところだと思います。




半世紀以上の時を経て、復活を遂げた佐堂の先代だんじり。

新天地である中宮にて、末永く愛され、活躍することを願っています。






さて次回は・・・夏のご案内シリーズの最終章をお送りする予定です。

信濃屋お半悠遊!だんじり録
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