交野型・・・について語りましょう…《後編》

前回、枚方市の春日神社にある『茄子作』のだんじりをご紹介しましたが・・・

今回は同じく春日神社の氏子で、同じく『交野型』のだんじりを拝見したいと思います。
こちら!

枚方市・『高田(こうだ)』のだんじりです。
『北河内型』の中でも、星田、茄子作と同じく『交野型』に分類されるもので、その製作年代は、文久3年(1863年)とされ、文政元年(1818年)の製作とされる茄子作、天保4年(1833年)とされる星田東などに比べると少し手前の製作年代ですが・・・

それでも江戸時代のだんじりに変わりはなく、150年以上の年月を経ただんじりです。
大工は不詳ながら、彫師は《相野》一門とされており、この一門の手によるだんじりは、星田の東と西をはじめとする『交野型』をはじめ、同じ北河内でも無数の現存数を誇る『北河内型(讃良型)』のだんじりにも数多く見られます。

こうしただんじりの型分けは、ある程度『便宜上』の呼び名である事を承知した上で読み解いて頂きたいのですが、同じ『北河内型』と呼ばれるだんじりでも、『讃良型』と『交野型』では、そのシルエットは大きく異なります。

どちらも背の高い構造を持ちますが、重厚さと規格外な大きさを誇る『讃良型』に対して、『交野型』はスリムであり、また彫物の肉厚も違いがあります。

年代的には、『交野型』と呼ばれるだんじりのほとんどが江戸時代の作で、『讃良型』は幕末から明治にかけての作が多く、これら『交野型』と呼ばれるだんじりは、もしかしたら『讃良型』の原型と考える事も可能であります。

讃良郡の大工組の職人たちが、この『交野型』のだんじりを参考に、重厚さや肉厚を加えて進化させたものが、『讃良型』のだんじりなのかも知れません。
茄子作も、星田も、この高田も、そしてそれ以外の『交野型』と呼ばれるだんじりも、今となっては貴重な存在です。

確かに『だんじり祭』としては盛んではないのですが、それ故、年代物のだんじりをほぼ手付かずで保存されているという面もあるので、この先もどうかこれらのだんじりを大切に保存していってもらいたいと願うのであります。

ここ数回にわたり、年代物のだんじりを鑑賞してきました。
来年はこうした古いだんじりを求めて見て回られるのも、良いかも知れませんよ。
では今回はここまで・・・
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