上市ぜんざい
風邪による高熱で迎えた2018年も、早くもその1/12が終わろうとしております。
こうやって時間の流れの早さを身につまされながら生きております。
前回のブログでお知らせした『奈良・大立山まつり』に足を運ばれた方はおられますかね?
その模様のリポートはまた後日お届けします。
今回はこちら!

泉大津市は濱八町の上市町のだんじり。
1月14日(日)に、お正月の鏡餅を割ってぜんざいを作る、本当の意味の『鏡開き』が行われまして(祝いの日に樽酒を小槌で割るのと違う)町内の皆さんにぜんざいを振る舞うのに併せて、だんじりも展示されました。

ワタクシが上市町のだんじりをこうしてじっくり拝見したのは20年以上前のことで、実はそれ以来って事になります。
平成4年に新調されただんじりなので、ワタクシが拝見しのは新調されて間もない頃なのです。

新調大工は《天野工務店》で、新調時の彫師は《井波彫刻》の河原和夫、中山慶春、栗田剛という面々。
《栗田剛》という彫師は関西ではあまり馴染みのない名前かと思いますが、名古屋で代々彫師の家系の四代目で、実父である三代目《栗田三郎》師は、地元・名古屋は大須観音の仁王像を彫り上げた名匠。

さてこの上市のだんじり、昨年・平成29年に大改修を施しまして、現在のだんじり彫刻で腕を振るう彫師さん達によって大きく生まれわかりました。
改修大工は《天野》の流れを汲む《北本工務店》北本信広 棟梁のもと、改修彫師は《木彫古澤》古澤知貴、《木彫近藤》近藤 晃、《木彫片山》片山 晃、《彫陽》山本陽介、《井波彫刻》瀧川千春という面々。

部材としては、大屋根正面の懸魚、車板および正面枡合、大屋根虹梁三面、大屋根下の木鼻、脇障子、大脇、竹の節、旗台などで、その他見送り内の人物も何体か組み込まれている模様(抜け落ちてたらゴメンナサイよ)。

もうお写真ではそれら新たに新調交換された彫物を中心にご紹介しております。

一つ一つの説明はは省きますが、こちらはその中でも特に目立つ正面の部材から、拝懸魚・隣懸魚で一つの図柄、『七福神の邪鬼退治』。

その奥というか下というか、車板と枡合で一つの図柄となるのは『白龍昇天』。
奥州高館にてその生涯を閉じた源義経が、白龍となって昇天する様子です。

さらにその下の虹梁はお馴染み『鶴岡八幡宮放生会』。

こうして見ると確かに大きく姿見が変わった印象ですな。
ご存知の方も多いと思いますが、だんじり小屋前の町会広場は府道臨海線を跨ぐ高架橋の下の土地。
小屋では鳴物も披露され、集まった人達は振舞われるぜんざいに舌鼓。
ワタクシもゴチになりました(写真撮らず)。
ありがとうございます。

小屋の横では交換された旧・彫物が販売されており・・・

いくつかの部材はすでに売約済みとなっておりました。

ちなみにこちらの獅噛み(鬼熊)は新調当時から変わらずこのだんじりの顔となっているもので、川原和夫師の力作。
新調された年の『富山県芸術祭功労賞』『富山県文化功労賞』を受賞した作品なんだそう。

各部の新しくなった彫物も含めて、変わらぬ眼光で見下ろしております。

新調から25年の時を越えて生まれ変わった上市のだんじり、これからも濱八町の一町として祭礼を盛り上げ、活躍される事でしょう。

今回はここまで・・・。
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