茶屋のだんぢり漫遊録

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今年も小川祭りの太鼓台に会う




2月に入っても寒さ厳しい折でございます。
数年に一度とも、数十年に一度とも言われる強烈な寒気に包まれている日本列島、あちこちで豪雪による被害も出ています。


大阪で暮らしてると、そういう事があまり起こらないので平和ですね〜。

今年の雪は奈良で初めて見ました。

そう、『奈良・大立山まつり』です。



ではでは、今年の『奈良・大立山まつり』のリポートを、ちょいと連続でお伝えして行きましょうかね。


1月27日(土)のことから・・・




暦の上で言う『寒の入り』ていうのがありますが、今年はその『寒の入り』の中でも『小寒』を過ぎても数日はそれほど寒くなかった。

それがどうですか!

『大寒』を過ぎた頃から何かを思い出したかのように急に寒くなったかと思うと、東京での大雪ですよ。

そのまま今日に至るまで、最高気温は平均5℃以下という日が続いております。

1月27日(土)と言えば、その真っ只中でのお話です。


昼間と言えど気温が低く、凍てつく寒さの中を奈良へと到着。

広い広い『平城宮跡』がその会場であります。




去年までは『大極殿』前の広場が会場でしたが、今年は工事の関係で会場がそれより南に移っておりまして、ロケーションが変わっておりました。



このイベントの趣旨などをざっとおさらいしときますと、奈良県の冬季の集客プロジェクトとして行われているもので、県内の各市町村単位で参加し、それぞれの伝統文化や芸能などを出張させて来ては披露するというもの。

それ以外にも各市町村のご当地グルメを堪能できる『あったかもんグランプリ』が、訪れた人々のお腹を温めます。



そして最後には『四天王』を模した巨大な『大立山』が巡行されるというもの。




3日間にわたり行われるイベントの2日目となるこの日、ワタクシがお目当てとする出し物はこちら。



吉野郡小川町『小川祭り』の太鼓台と、橿原市十市町のだんじりです。



橿原市・十市町のだんじりについては以前もこのブログにて触れております。

そして『小川祭り』の太鼓台は、昨年もこの『奈良・大立山まつり』で拝見しました。

しかし今年は同じ『小川祭り』でも、昨年とは違う太鼓台が参加ということで、ワタクシとしては初見の太鼓台となります。



今年はこの3台の太鼓台と巡り会う事となりました。

残念ながら町名をチェックしておらず(だってどこにも書いてないし、衣装にも町名が入ってないんだもの)、そこはお許し願いたいのですが、ワタクシの目に留まったのが、こちら。



おそらく『小栗栖』という町名の太鼓台



見た事ある感じの彫物やけど、彫師名が浮かばない・・・(アタシゃそこまで彫物に精通してないがね)

うーん・・・と首を傾げていると、とあるお知り合いの方から

『前田やで』

とのひと声。


あー!!・・・前田熊蔵義重!!

『その師匠な』

と付け加えられたのですが、伊丹や宝塚方面のだんじりにその作品を見る事が出来る《前田》一門ね。

その前田熊蔵義重の師匠にあたる彫師って誰だ?

前田徳蔵か?・・・彌助か?・・・伊之助か?

その辺は勉強不足で申し訳ないのですが、色々調べてみると、この小栗栖の太鼓台の彫物には前田熊蔵義重自身の手も加わっているご様子。




そこから推察するに幕末頃の製作なんですかね〜?



昨年はこの場所で《彫清》一門の手による小川太鼓台に出会えて、その端整な作品に思わず見入ってしまいましたが、こちら小栗栖の太鼓台も負けてまへん。



社殿屋根の鬼板部分にあたる獅子は、敢えて少し傾斜をつけて配置されてる様で、こういった心憎い演出に、当時の工匠のセンスを感じるのです。



ちょいと長くなってきたので、次回も続きでこのお話を進めて行きましょうかね・・・




今回は一旦ここまで。

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