茶屋のだんぢり漫遊録

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もうそろそろ祭礼…ていうお話




極寒の冬の後に訪れた早すぎる春のせいで、まだ4月に入ったばっかりやと言うのに、桜はあっという間に散ってしまいました。

昔は入学式の頃に桜が満開を迎えたのに、最近は卒業式に桜が満開でっか?


今日はそんな桜の時期のお話。


神戸市東灘区は本住吉神社の西區山田區のだんじりが、同じ日に違う名目で曳行を行い、ひと足早い祭気分を演出しましたので、その模様をお届けします。


3月25日(日)の事でございます。



ご存じ本住吉神社は境内に7台分の小屋がズラリと並ぶロケーション。
その中から山田區は『6年生を送る会』、西區は『コマ新調に伴う試験曳行』で、それぞれ午前中からだんじりを曳き出し、それぞれの町内へと散って行きました。


本住吉神社の宮本でもある西區の町内は、神社のすぐ北側、JR神戸線の山側地域です。



『コマ新調』で試し曳きとは、例えば1回の祭礼で何セットものコマを要する泉州地方のだんじりに携わる方々なら、
『え?そんなんでわざわざ曳く?』
と思われるかも知れませんが、鉄製の輪っかをハメて曳く神戸では、1セットのコマで数年の祭礼を行うので、コマ新調は稀な行事。



さらに祭礼前に『試験曳き』を行う風習のない地域なので、コマを新調した年は、あらかじめ事前にテストをしておかないと、祭礼本番に影響します。



前回ご紹介した、東灘区・小路區の曳行は鳴物を鳴らさずでしたが、今回こちらの曳行はちゃんと鳴物も鳴らしながら、祭礼時の雰囲気なの曳行となりました。




無事に試し曳きを終えた西區のだんじりは、午前中に宮入り

やっぱりね、本住吉神社の境内に小屋があると言う事は、こうして拝殿前で答礼、そしてたとえ少しでも練り回すと、神戸の祭礼のフィナーレを飾る、本住吉神社の宮入りの雰囲気が甦ります。





さて一方、本住吉神社の氏地の中でも最山手に位置する山田區では、お昼頃に地区の真ん中にある山田公園にて、『6年生を送る会』が催されていまして、お写真はその帰り道から。



同じ本住吉神社の氏子でも、山田區は他の町と小学校が別なんですね。

そこで山田區では独自に『6年生を送る会』を催していて、そのためにわざわざ神社からだんじりを曳き出して、この最山手にある町内までだんじりを押し上げて来るという熱の入れようです。



そうやって子供たちがだんじりに親しみ、中学校に上がってからもだんじりに関わり続ける事を願いたいものです。




まる一日がかりの行事を終えて、神社へと戻ってきた山田區のだんじり。



やはり拝殿前では答礼と練り回し



この日、本住吉神社では本当にひと足早い祭礼の雰囲気。


だいたい毎年、3月に入るとその年の『だんじり行事』が動き出します。
今年も3月4日(日)の野里西之町と丸嶋の入魂式を皮切りに、各地の『だんじり行事』が動き出しました。


このブログや当サイトの『行事暦』でご紹介していない細かな行事ごともあちこちで行われています。
明日の8日(日)もね。

来週には『宝塚だんじりパレード』もあるし、月末には恒例の『布施パレ & 長瀬パレ』も行われます。

けれども、神社祭礼として、つまり『だんじり祭』としての開幕は毎年変わらず、5月の連休に行われる神戸市の祭礼からとなります。




そんな今年の祭礼本番まで、あと1ヶ月を切ったんですなぁ。

春を通り越した初夏のような陽気とともに、『だんじり祭』の開幕も、もうすぐそこまで迫って来ている様です。




では今回はこの辺で・・・



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