小路のだんじり…これから修復?

3月17日(土)、神戸市は東灘区の小路のだんじりが、『修復に伴う試験曳行』を行うとの情報を得たのは、その日の数日前でした。

3月17日って土曜日でしたよね?
ワタクシ信濃屋、当サイトの撮影やブログ以外にもいくつかお仕事を掛け持ちしてましてね、その中の一つのお仕事がですね〜、土曜日って、よっぽどの事がない限り、お休みを取りにくい状況にあるのです。
今月の14日(土)に『宝塚だんじりパレード』がありますが、このイベントの様にかなり前から日程が分かってる『だんじり行事』に関しては休みを取れますけど、今回ご紹介するこちらに関しては、かなり直前に情報を得ましたので、ワタクシは取材に赴けませんでした。

なので、お写真だけをもとにブログを執筆させて頂きます。
この日の小路のだんじりが行いましたのは、
『修復に伴う試験曳行』
です。
『修復完成に伴う入魂式』
ではないという訳です。
そう、おそらく今年の祭礼を終えてから修復に
入るものと思われます。
ワタクシの手元にもたらされた写真を見ると、服装は私服で、飾り幕もつけず、また鳴物も鳴らさずにだんじりを動かしている事に気づきます。

修復を完成しての『お披露目』とは明らかに趣の違う風景。
これは何のための曳行かと言いますと?・・・
当サイトユーザーの皆さまは覚えておられますでしょうか?
同じ東灘区の吉田區のだんじりが、平成25年〜27年にかけて大改修を行いました際、その途中で二度ほどだんじりを曳行して、阪神電車の住吉駅前のガード下へと向かい、そこで寸法を測っていた事を・・・

これがその当時のお写真。
ビフォアフターで2回目はこんな感じ。

要は、だんじり本体の寸法が大きくなるので、その実寸を測るために、だんじり本体をガード下まで持って行って計測するというもの。
おそらくですけど、今回の小路も、これと同じ様な目的での曳行だと思われます。
実はこの小路の町内にも、阪急電車の下をくぐるガードがありましてね。

このガードは、祭礼日の宵宮にあたる5月4日の夜、保久良神社へと宮入りに向かう4台のだんじりがくぐるガードなのです。

やはりこの日、このガードの下に小路のだんじりを据えて寸法を計測する風景が見られました。

写真で見る限り、この時点でだいぶギリギリですけどね・・・

近年になって大型化が進む住吉地区では、阪神住吉駅前のガードをくぐる際、山形提灯のてっぺん部分を切り離して通過する町が増えております。
小路もその方式を採用するのでしょうか?
実はこの小路のだんじり、ワタクシが初めて生で見たのは平成3年でしたが、その当時はこの姿ではありませんでした。

元は灘区の五毛で新調されたと言われており、製作年代は明治25年。
大阪方面の大工により製作されただんじりで形式は『大阪型』、彫師は《彫清》柳原清三郎となっています。
平成4年に屋根を修復し、平成13年には通し柱、虹梁、台木を新調交換し、現在の姿見になりました。

飾り物のついてない状態で見ると、腰までの高さよりも、腰から屋根までの高さの方が目立つ格好になっています。

柱と虹梁がかなり目立つ構造。
これは祭礼日に飾り幕がつけられた状態で見ても分からない部分です。
ワタクシ、小路の若仲さんで一人知人がおられるのですが、その人のお話では、屋根廻りをもう少し改修したいのだそう。
この小路の屋根、よく見ると葺地と破風の間の『裏甲』にあたる部分が、従来のだんじりに比べて一段多い事にお気づき頂けるでしょうか?

元々大型ではなかっただんじりを大きく改修するため、少々無理のある改修を施した結果、この様な屋根になったのだそうで、今年の祭礼後に行われるであろう来たる改修時に、この屋根がどう変化するかも、楽しみのひとつとなりましょう。

さてさて、今回はこの辺にしておきまして、次回のブログも『神戸ネタ』をお届けする予定です。
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