茶屋のだんぢり漫遊録

目次

ワテはさすらいカメラマン

 



5月12日(日)のエピソードがもうひとつあります。


早朝、岸和田市の岡山町大西小路に始まって、さらに河南町の寛弘寺へと、泉州から南河内へとハシゴしまして、もう1ヶ所、急いで向かった先があります。

それはこちらだ!



柏原市今町


こちらは《大下工務店》にて修復されまして、今年の3月31日(日)にすでに搬入されておりました。

入魂式も・・・


この日はお披露目曳行となっておりました。



柏原市の今町と言えば、ここんとこ数年前から、1月6日・7日の『柏原えびす』の夜にだんじりを曳行しておりまして、お正月明けのシーズンオフ真っ只中にだんじりが見れるとあって、割とあちこちから熱心なだんじりファンが見学に訪れたり、ワタクシもブログで取り上げさせてもらったりしました。

5月12日(日)、ワタクシは寛弘寺がローソン前から町会広場へ戻ろうとする手前で寛弘寺を離れ、外環状線を北へとすっ飛ばして柏原へと到着しましたが・・・



今町のだんじりのお披露目曳行はワタクシの到着と同時に終わりを告げ、だんじりは小屋前に据え置かれました。


まぁ、仕方ございません。


せっかく来たので、ワタクシはだんじり本体を鑑賞します。



平成12年に、和泉市は信太・幸地区の太町から購入しただんじりで、『板勾欄式住吉型』。

大工、《大佐》十一代目・川崎仙之助、彫師、《彫又》一門



幕末から明治初期にかけて製作されたと云われ、元は高石市の北(北村・七区とも呼ばれた)にて新調されたもので、昭和38年頃まで曳かれ、昭和42年に和泉市・太町へ売却

ちょうど高石の各村がこぞってだんじりを手放していった時代と思われ、北村ではその後、花車の時代を経て昭和58年に岸和田市・中尾生町からだんじりを購入し、だんじり復活を成し得ています。

平成の初期に《池内工務店》にて大改修
大掛かりな部材の交換や彫り替えも行なわれています。



後ろ旗で拝見しにくいですが、見送り三枚板の『水滸伝・黒旋風李達(こくせんぷう りき)』など、なかなか見応えある彫物も拝めます。




てな具合に、曳行を終えただんじりの写真などをワタクシが撮っておりしたら・・・

今町の皆さんはだんじりを前に集合写真を撮ろうという段取りになりましてね・・・


すると何と、今町の見知らぬ奥様から一眼レフカメラを手渡されまして・・・


『集合写真撮ってもらっても良いですか?』

と言われました。


あたりを見渡せば、今町以外の地域から来られた見物客はゼロ。



曳行に参加していた子供達はとっくに解散し、だんじり周りには今町の関係者の皆さんと、婦人会らしき奥さま方が数名いるばかり・・・


あぁ、ワタクシしか居ないのね・・・


すぐさま空気を読んだワタクシは、差し出された一眼レフを手に取り、快くOK!


申し上げますけど、今町にワタクシ、お知り合いは一人も居られませんので。


すると、だんじりを据え置いている神社前の道路から細い川を隔てた対岸に大きな脚立が据えられてまして、

『ここからお願いします』


『あぁ、分かりました。この上から撮らせてもろたらええんですね』

よじ登りましたよ。


で、手渡された一眼レフで写真を撮ろうと思うと、左右から車が往来するんですな。

『あ、車行かせて下さいねー!』

ワテが脚立の上から交通誘導までしております。

で、車が途切れたタイミングを逃さずに、

『はい、撮りまーす!』

数枚のシャッターを切りまして、

『はい、カメラ替えまーす!』

プロか!…っちゅーねん・・・

で、カメラ替えて撮ったのがこの写真。



そう、カメラ替えるって、ついでに自分の手持ちのカメラで撮らせてもらっただけであります。


だって、せっかく脚立の上から撮らせてもらってるんでね、そりゃこんなチャンスは利用しますよ。


ワタクシも、わざわざ
『モバイルテレビジョンです』
とか名乗らないし、今町の皆さんの

『どこの誰や知らんけどカメラ持ってはるし、撮ってもらお』

的な、一期一会のノリが好きなので、そこは乗っからせてもらいました。



ワテはさすらいのカメラマンだす。



これ、夏祭シーズンの前に下書きだけしてあったネタなんですが、すでに夏祭は終わっておりまして、7月13日・14日の土日でした。

雨でしたね。


思えば今年の夏祭シーズンの総括的なブログも書いてねーなー。



今年のだんじりシーズンが開幕する3月に
『今年は雨の当たり年かも・・・』
なんてことを書きましたら、モノの見事に的中しまして、今年は多くのだんじり行事や祭礼が、順調に雨に当たっております。




さぁ夏が終わりまして季節は秋へ。

秋祭シーズンはお天気に恵まれることを心から願っております。



なんだ?…この終わり方・・・

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