緊急事態宣言も延長され・・・

前回ブログを更新してから日数を空けずに引き続き更新する予定でしたが、4月に入り、緊急事態宣言が出された事で、その成り行きを注視するあまり、ブログの更新を少し止めてしまいました。
別にブログ更新を『自粛』するつもりはなかったのですけどね。
それから約1ヶ月の間、感染者数や陽性率の推移などを観察し、これがいつ頃収束するのか、その見通しを推察する日々が続きました。
当サイトユーザーの皆様もご存知のように、春に予定されていた祭礼、イベント、入魂式などの『だんじり行事』は、3月22日(日)に奇跡的に行えた神戸市東灘区・平野區の新調入魂式以降、『全滅』と申し上げて良い事態となりました。
これにより、我がモバイルテレビジョン(株)地車事業局も、新たな取材撮影に出向く機会が皆無となりました。
世界全体が、息苦しい世の中となってしまった事で、当サイトユーザーの皆様も、今は
『だんじりどころではない』
のも当然の事でありましょう。
まずは個々の生活や仕事の先行きが見えて来ないと、祭礼など見えて来ようはずもありません。
今は早く元通りの生活が戻ってくる事を願いつつ、日々の自粛生活を送るしかなさそうであります。
実はこのブログに於いても、現在の状況について何度か書き綴ろうと試みたのですが、書き上げるよりも先に変化する状況に追いつけず、何度も断念して来た経緯があります。
しかしまぁ、今一度この状況を踏まえて申し上げるべき事を精査し、述べさせて頂こうと思います。
まず、5月も中旬を迎えた現在、夏に行われる『だんじり行事』は、祭礼、イベントを問わずどれひとつとして、開催の見通しは立っておりません。
正式に中止が発表されたもの以外に、まだ中止と発表されていない祭礼や催事もありますが、それは決して『決行』という意味ではなく、ギリギリまで様子を伺っている状態であります。
とは言え、現時点では、開催は難しいと言わざるを得ないでしょう。
現在、大阪府では吉村知事が発表した『出口戦略』の政策において、緊急事態宣言の『段階的解除』に向けての数値目標が示されました。
① 検査数に対する陽性率7%未満
② 感染源不明10名未満
③ 病床使用率60%未満
を、7日間連続で達成出来れば、段階的に解除して行きましょうと言うことです。
現時点での推移を注視するに、おそらくこの目標は達成出来そうだと申し上げて、まず差し支えないでしょう。
5月15日を境に、大阪府下では徐々に自粛を緩和し、少しずつではありますが、人の往来や接触の自由が戻って来るでしょう。
では、そうなった場合、祭礼やだんじり行事は再開しても良いのでしょうか?
その答えは、残念ながら『難しい』と申し上げなければならないでしょう。
その参考例として、今現在の韓国の現状を見てみましょう。
日本のお隣である韓国では、日本で感染者が増加し始める3月後半よりも早く、感染者の急増が見られました。
それに伴い、日本よりも強めの対策を採った韓国では、ロックダウンは回避した状態で感染者の増加を抑え、日本で感染者が増加するのと反比例するかのように収束に成功しました。
しかし、そんな韓国でも、いまだ完全な自粛解除とはなっておらず、人々はソーシャルディスタンスを保ちながら活動しており、社会はまだ完全に元通りの姿を取り戻せていません。
そればかりか、ここに来てまた感染者が増加傾向にあり、再び自粛を強めなければならないかも知れない局面に至っています。
この様な事態を加味するに、この先日本でも感染者の増加を抑え込み、一時は収束したかのような状態までは持って行けても、そこで自粛を緩めてしまうと、再び感染者が増加してしまうという危険性があります。
そんな状態では、とてもじゃないけど『だんじり行事』など、再開できようはずがないのです。
残念ですが、そういう事です。
今現在の『だんじり界』の状況をおさらいして行きますと、まずご存知の様に春の祭礼およびだんじり行事はすべて中止、または延期とされました。
加えて夏の祭礼およびだんじり行事も、規模の大きなものから早い段階での中止が発表され、今現在中止の決定を出していない地域も、その開催は絶望視されているのが現状です。
そして9月に行われる『岸和田だんじり祭』は、今現在ではまだ中止の決断には至っていませんが、町によっては、『献燈台』の設置を断念したという情報を得ています。
9月の岸和田の祭礼における『献燈台』というのは、単に御神燈を掲げるというものだけではなく、祭礼運営の貴重な資金源でもあるのです。
献燈の提灯に協賛して頂いているのは主に飲食店、商店、企業であり、どこも今現在は苦境に立たされている中で、そんなご時世に、決して安い訳ではない献燈の協賛金など、お願い出来ないというのが事情にあります。
同じような事情は、岸和田に限らず各地区の祭礼にて各町のだんじりが集めて廻る『御花』にも言える事です。
まだ社会が完全に安全と言える状態ではない時にだんじりを曳行しても、社会的な批判にさらされるのも当然かと思いますが、それだけではなく、地域のお家やお店、企業などから『御花』など頂戴できないというのも、祭礼実施に踏み切れない実情でありましょう。
いずれにせよ、本来ならだんじりの魅力、楽しさ、面白さをお伝えするべきこの『だんじりブログ』に於いて、この様な事を書き綴らなければならない現状は本当に残念であり、悔しい気持ちであります。
しかし、世界的に『サイレント・ウォーズ』とも揶揄される現状では、致し方ないのも事実であります。
『世の中が平和ではなくなった時、真っ先に奪われるのは音楽の自由である。』
という言葉がありますが、音楽とともに、だんじりも含め、こうして人と人とが寄り集まって楽しく笑って過ごす自由が奪われるのは、人間としての本来の生き方を奪われているのと同じ事ですからね。
兎にも角にも、ひとまずこの『緊急事態宣言』の出口はもうすぐそこまで見えています。
今考えるべき事は、緊急事態宣言が段階的に解除され、少しずつ元の暮らしが戻って来始めた時に、再び感染拡大へと転じない様、一人一人が警戒を緩める事なく、経済活動を回してゆく事ではないでしょうか?
祭がなくて非常に悔しい。
だんじりを出せなくてとても寂しい。
しかし、以前にも申し上げた通り、『当たり前のことが当たり前ではなく、非常に有り難い状況の中で暮らせていた』ことを今一度噛みしめながら、まずは自分たちに出来る事をひとつひとつ行いながら、また再びだんじりを曳行できる日が来る事を楽しみにしようではありませんか。
今回はご紹介するお写真なしで、失礼させて頂きます。
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