並松町入魂式~コロナに負けず~
少しずつ平穏な日常を取り戻しつつ、我々の愛する地車祭りも、開催か自粛かで議論され続けます。
そんな中、岸和田の熱き男達は、先人から受け継がれる宝の百周年を、先日七月四日に盛大に祝いました。
題して、岸和田市並松町地車百年祭

大正十年、岸和田最大、泉州最大の地車が誕生しました。
大工と彫物師共に作事したのは
泉州の名工「左ヱ門」の屋号を持つ、櫻井義國。

多くの地車は大工と彫物師が別であるのが通例。
大物の木や本体を組む大工さんと、細かな彫刻を彫る専門の彫物師さんは別なのが、本来なら当たり前。
そんな中、この名工は大工仕事と彫刻をどちらもこなしたという稀に見る天才職人。
そんな名工によって、この名地車は生まれました。
昭和期に数回、そして平成十三年の大修理を経て、新調された当時の美しさを保ちつつ、百年も大切に並松町で愛されてきました。

我々の祭りには
「親から子へ、子から孫へ」
との言葉があります。
まさしく並松町では、祭りの文化だけではなく地車本体も宝として受け継がれてきたのがよく分かります。
コロナにも屈する事なく、この晴れの日の舞台を英断し、町民総出で愛する地車の百歳を祝して下さった並松町の皆様へは、私個人ではありますが、心より感謝します。

並松町地車、そして並松町民の皆様、おめでとうございます。
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