春木川のもうひとつの祭・・・・
毎度ぉ~、だん馬鹿でおま。
三連休明け、週はじめの今日、皆さんお元気でいらっしゃいますか?
21日には、大阪でも桜の開花宣言がおこなわれました。大阪市内では、昨年より3日、平年より9日早く、観測史上2番目の早さ。
1週間ほどで満開を迎えるといい、小学校の入学式の頃には、桜の花も散り始めなんて事も・・・・。
地球温暖化の影響もあるのでしょうが、なんだか幼気(いたいけ)な子供達の悲しい未来を暗示している様な気がするのは私だけなのでしょうか。
この三連休、彼方此方へ出かけられた方も多とは思いますが、テレビでは高速道路の渋滞した様子が映し出されていました。
実は、このサイト『だんじり』を配信している当社 モバイルテレビジョン株式会社は、全国の高速道路や主要幹線道路の渋滞情報をケータイで配信している会社でもあるのです。それも文字情報や地図を使っただけのサービスではなく、全国百数十箇所以上のライブカメラからの映像を生中継!! これからの行楽シーズン、是非ともご利用のほどを・・・・。詳しくは『Watcha』 http://watcha.jp へアクセス!
当社の宣伝はさておき、オフシーズンのネタ切れに悩む私「だん馬鹿」、この連休も右往左往。
ネタ不足を解消すべく、和泉市春木川町へと取材に出かけてきました。
春木川町と言えば、地車研究者・地車愛好者にとっては言わずと知れた「だんじり戎」のあるところ。
昭和30年代まで同町で曳行されていた地車を社殿に再利用し、「えべっさん」をお奉りしているのです。

これまでにも友人・知人を案内して、何度「だんじり戎」に足を運んだことでしょう。
その都度、通りかかられたお年寄りから、この地車についてお話しをお聞きし、時には地車が写った古い写真を見せていただいた事も。
訪れたのは連休初日、20日の土曜日。またもやこの日も、新たな展開が・・・・。
「だんじり戎」は、町内の小高い山の中腹に、地蔵寺、氏神さまの八雲神社とともに、境内の一番奥にお奉りされています。

境内へは、急な石段を登らなければ行くことが出来ません。登り切ったところが地蔵寺の本堂。
いつもは、ひっそりとしているのですが、その日は数十名のお年寄りが集まっていました。
会釈もそこそこに、目指す「だんじり戎」へ。

写真撮影の準備をしていると、一人の初老の方が話かけてこられました。
67才の方で、「高校1年の時の秋祭りが最後の曳行で、翌年には地車は出なかった」と話してくれました。
さすれば、今から51・2年前が最後の曳行。昭和33・4年頃になります。
「これはしまった!」、当サイトの春木川町のところには、『昭和20年代に休止し、「だんじり戎」として奉り上げられた』と書いたはず。
新たな事実に驚愕! 近々、データの修正をおこなっておきますので、しばしご容赦のほどを・・・・。
さて、写真も撮り終え、帰ろうかなと思っていると、別の方から話しかけられました。
「だんじりもあれやけど、今夜は『やしょく』で神輿担ぐんやでぇ~」。
「やしょく、なんじゃそりゃ?」と思いつつも、話を聞いていると、春の彼岸の中日の前夜におこなわれる、地蔵寺のお祭りで、太鼓を叩きながら村中を神輿を担いでまわり、最後は地蔵寺へ通じる急な石段を担いで上がり、本尊の地蔵菩薩にお供えするものだとか。
そして、その日の夜は、本堂横の「籠り堂」で一夜を過ごすらしい。
甘酒やお酒の接待もおこなわれるようで、「晩に見に来いよ!」とお誘いを受けたのだが、用事があるので丁重にお断りしました。
それならば、会館で青年団が準備をしているという「神輿」を見せて頂くことに・・・・。
町内の会館には、草色と桜色に着色されたお餅を竹串に刺し、それを集め飾り付けた手作りの「神輿」が、今夜の祭りを前に準備万端整えられ置かれてありました。

本尊の地蔵菩薩は腰痛平癒のご利益があるといわれ、『腰痛(こしいた)地蔵尊』とも呼ばれ、普段の日でも腰痛平癒の祈願にお参りに訪れる人も。
特に春と秋のお彼岸の中日に行なわれる「中日まつり」には、全国から多くの参拝者が訪れ、以前は臨時バスが出るほどの賑わいであったとか。
今なお続く春木川町地蔵寺の「やしょく」という伝統行事。
今とは違い、娯楽と言えるものも無かった時代。村人の娯楽と言えば、その土地土地でおこなわれてきた年中行事。
秋におこなわれる「村祭り」、夏の「盆おどり」、この「やしょく」と呼ばれる「お籠もり」もそんな娯楽のひとつだったのでしょう。
村に住まう年寄りも若者も、一所に集まり、酒を酌み交わし、村にまつわる事柄のひとつひとつを幾世代も伝えてきたのでしょう。
こんな行事が今もなお残っていることを、うらやましく思えるようになった私も、もう年なんでしょうかねぇ~。
来年の「やしょく」には、是非とも再度訪れ、甘酒などの接待を受けてみたいものだと、違う違う、餅で飾られた神輿の巡行と石段登りを見てみたいものだと思いながら、春木川町を後にしました。
ちなみに地車は、泉佐野市長滝東ノ番より購入し、平成17年から曳行復活。

先代の子供地車は藤井寺市大井で曳行中。
小高い山の上のだんじりも、今や「だんじり戎」として、春木川町の移りゆく町の姿や人々生活を見守り続けているのでしょう・・・・。
「だんじり戎」になった地車については、またの機会に詳しく触れてみたいと思っています。乞うご期待!
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