茶屋のだんぢり漫遊録

目次

和泉市信太・幸地区 宮本町地車見学レポ その壱・・・・

毎度、だん馬鹿です!

今日は絶好の花見日和。
ETCの休日割引を利用して、遠出されている方も多いのでは・・・?
昨日あたりから、高速料金の見直しがニュースでも取りざたされています。
私もETCの休日割引があるうちに遠出して、今日と明日の両日おこなわれている鹿児島県いちき串木野市の『徐福花冠祭』で曳行される冠嶽山地車講の地車(元神戸市の酒造会社所蔵)を見に行こうかと計画していたのですが、乗せて行ってもらうはずの伊丹市在住のS氏の奥様からの「あんたら何考えてるの?」の一言であえなく断念。
一人で行こうかとも考えたのですが、我が家のホンダフィット(平成14年登録)も社用車の三菱ミニカ(平成7年登録)にもETCは取り付けられていないので、割引の適用もなし。
まぁ~、片道10時間の行程を考えるまでもなく、計画は水の泡と化したのであります。(来年こそは行ってやる・・・割引があればの話ですが)。

さて今日の「だんじり通信」は、3月21日(日)におこなわれた『和泉市信太・幸地区 宮本町地車見学会』のレポートです。

昨年11月、同町在住の「エロじじい(町内ではこう呼ばれてるらしい)」T川氏より「地車の網外すけど、見に来る?」と声を掛けていただき、ようやく実現したもの。
なかなか見に行ける機会もなく、ゆっくりと見たかった地車であっただけに、善は急げ、友人・知人にも声を掛け、見せてもらいに行ってきました。

宮本町の地車は、平成16年に《池内工務店》池内幸一棟梁の手により新調され、その後3年の歳月を掛け平成19年5月に完全完成した『岸和田型』地車。

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屋形は入母屋・扇垂木、枡組四手先八段、全高3m90㎝、全長4m30㎝、大屋根幅2m58㎝(記念誌参照)、同地区最大級の地車。
その大きさには、圧倒されるばかり。

見学会となると、やはり目が行くのは彫物。
彫物細工は、富山県井波の野原湛水 師が担当。

大屋根廻りは「日本神話」と、宮本町の土地柄、小栗(熊野)街道と聖神社ゆかりの彫物題材などで構成されています。

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大屋根正面枡合には、『聖大祭本宮』と称し、聖神社例大祭で執り行われる「神輿渡御」の様子が彫られています。
現在も、祭礼二日目におこなわれており、当番町の若者により担がれています。

大屋根左右の枡合は二重枡合で細工されており、下段右に「素盞嗚尊、八岐大蛇退治」、下段左に「天の岩戸」。
上段左右は、かつて聖神社でおこなわれていた年中行事、右に「破魔矢」、左に「角力(相撲)祭」の様子が刻まれています。

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さすがは、聖神社の宮本にあたる同町だけに、古からおこなわれてきた神事を彫刻図柄に採用するとはなかなかの良いアイディア。お見それしました(実は私、こういうのが好きなんです!)。

また、大屋根正面小屋虹梁に「八咫烏」、大屋根後小屋虹梁に「熊野詣」、大屋根後枡合に「小栗街道縁起」を取り入れ、古来『蟻の熊野詣』と云われたほどの賑わいを見せた、同地区を通る熊野参詣の主要路「熊野街道」にまつわる題材。

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別名を小栗街道と言い、大屋根後枡合に彫られた「荒馬を乗りこなす小栗判官」は、熊野の地で生き返った小栗判官と照手姫の物語に由来する。

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その他に、小屋根懸魚に「鍵をくわえた狐」、小屋根隅出すに「狛犬」ならぬ「狛狐」を施し、地元「信太の森の白狐」にまつわる題材を採用。

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小屋根車板の「月見」にもキツネの姿が刻まれているのです。

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あっ、忘れちゃいけない、この地車の水板には、安倍保名と葛の葉が出会った「ネズミ坂」と「鏡池」も彫られています。

まさに『信太一色!』、地元にまつわる数々の題材。よく考えられていると、恐れ入谷の鬼子母神(恐れ入りました)!


お次は、腰回り・見送り廻りなどへと話は続くのでありますが、続きは次回の「だんじり通信」で・・・・。
ほな、今日はこのへんで。乞うご期待!

信濃屋お半だんじり通信
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