茶屋のだんぢり漫遊録

目次

一日に4台の入魂式、未来永劫、幾久しく・・・・

毎度、だん馬鹿っすパー

GWからこの前の日曜日にかけての撮影疲れのためか、何となく体調の良くない日々を送っています。
これって、巷で云う「五月病」・・・・? なんせ私ゃ、メンタル的に人より弱いもので・・・・(「あんたほど、図太い人もおらんやろ」と言われそうですが)。
今年、社会人になられた人や新入学の学生諸君は、要注意! 五月病は新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称で、やる気があるのにその環境に適応できないでいると、人によってはうつ病に似た症状がでるのだとか。
原因は慣れない環境へのストレスだと言われています。なんにつけ、ストレスを取り除くことが一番、一番。このサイト『だんじり』でも見て、気分をリフレッシュ、リフレッシュ!!

さて今日の「だん通」は、GW中の5月4日みどりの日におこなわれた和泉市寺門町・熊取町小垣内・貝塚市三ツ松・和歌山県橋本市北馬場の入魂式の模様をお届けします。

ちなみに、この日は我らが『だんじり』撮影班は、神戸の祭礼の撮影もあり各班ともフル稼働。
私 だん馬鹿さんもこれら四町全てを見て回れるはずもなく、そこはそれなりに書いていますのでご容赦のほどを・・・・。

まずは、和泉市寺門町から。

寺門町の新調地車は、泉大津市板原町の《泉谷工務店》泉谷浩文 棟梁が初めて請け負い、製作にあたった匠の「出世だんじり」。
彫物は、《木彫筒井工房》筒井 伸・《木彫山本》山本仲伸・《木彫岸田》岸田恭司・《木彫近藤》近藤 晃・《木彫片山》片山 晃・《木彫高濱》高濱輝夫・《木彫前田工房》前田暁彦の7名の超豪華メンバーの手による作。
大屋根は、先代地車を継承し『二重破風入母屋造り』。

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午前5時30分、留め置かれていた郷荘中学校から、入魂式の神事がおこなわれる郷荘神社へ向けて出発。
6時には神社到着。大屋根の上に棟札が立てられ、いかにも新調という感じで神事がおこなわれた。
その後、郷荘地区内をお披露目曳行。

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祭礼時のパレードコースでは、豪快な「やりまわし」も披露。
9時30分過ぎには、式典会場でもある郷荘中学校へ無事帰還。
式典を挟み、夕刻まで校庭に留め置かれ、彫物もじっくりと見ることができたようです。

お次は、熊取町小垣内・・・・。

小垣内の新調地車は、岸和田市畑町の《井上工務店》井上英明 棟梁の手によるもので、匠にとっては岸和田市畑町・同市中北町に続く3台目の新調地車。
彫物は、《木下彫刻工芸》木下賢治 師を筆頭に一門の彫師さんが総力を上げて製作にあたりました。
6時前、氏神さまである大森神社へ宮入り。

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熊取では恒例、神社境内の能舞台を全速力で3周まわり、拝殿前へ・・・・。そして、地車の無事曳行を祈念して、神事が厳かにおこなわれました。
その後は、自町のみならず熊取の各区をお披露目曳行。

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豪快な「やりまわし」に見物に訪れた地車ファンからも大きな拍手が沸き起こっていました。

さてさて、次は貝塚市三ツ松・・・・。

《大下工務店》と《木下彫刻工芸》の名コンビにより新調されたこの地車も、平成17年の新調から5年の歳月を経て初めての修理。

当日は、午前8時に地車小屋を出発し、入魂式の神事がおこなわれる森稲荷神社へ。
神事がおこなわれた後、お披露目曳行がおこなわれましたが、途中までは祭礼時にあまり曳く機会の少ない子供達に綱を持たせゆっくりと曳行。
翌日の「こどもの日」を前に、子供達にとっても良いプレゼントだったことでしょう。

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その後は、「貝塚一」と言われるほどの豪快な「やりまわし」を披露。多くの地車ファンからも歓声が沸き起こっていました。

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泉州地域の「やりまわし」主体の祭礼では少々のアクシデントは日常茶飯事。今年も多くの町の地車が、大なり小なり修理されています。
とは言うものの、やはり町のシンボル・町の宝。末永く、事故などにはくれぐれも注意して、大切に曳行して欲しいものです。

そして最後は、和歌山県橋本市北馬場区・・・・。

昨年12月に和泉市寺門町より地車を譲り受け、この日が入魂式・お披露目曳行。
くしくも、寺門町の新調地車の入魂式と重なってしまいましたが、今年は大安の休日がほとんどないため、これも致し方のないこと。
北馬場にとって、初めての本格的な地車の購入とあっては、やはり大安吉日、晴の日なのでしょう・・・・。
当日の早朝には、役員さんらが寺門町へお祝いに駆けつけ、礼を尽くした上での入魂式。

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午前8時には、氏神さまの相賀八幡神社より神主さんに来ていただき、地車小屋前で厳かに神事がおこなわれました。
9時過ぎからお昼前まで、区内をお披露目曳行。

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如何せん、戸数四十数戸の山合の村。老も若きも村中総出と言った感の曳行で、昔ながらの村祭りと言った様相。

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しかし、それこそ本来の祭礼の姿ではなかろうかと思うのは、私だけなのでしょうか・・・・?

昨今、入魂式や祭礼の撮影のため彼方此方へと飛び回っていて、町村の規模(大小)、地車や祭礼に対する取り組み方など、その土地土地でもまったく事情が異なっていることに気づきます。
多くの問題を抱えている所もあれば、町や村が一丸となって取り組んでいる所もあります。
いずれにせよ、祭礼は重要な年中行事のひとつであり、地車は人と人との心を結ぶ象徴であり、宝物でもあります。
未来永劫、幾久しく、無事安全に曳行されますことを祈念して、今日の『だんじり通信』はこのへんで・・・・パー

信濃屋お半だんじり通信
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