茶屋のだんぢり漫遊録

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彫物師は超豪華ラインナップ、寺門町新調地車・・・・その弐

毎度、だん馬鹿ですパー

今日の「だん通」は前回に引き続き、和泉市郷荘地区 寺門町の新調地車の特集をお届けします。

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前回は、正面腰回りの彫物などを紹介しましたが、この地車には多くの彫物師が参加しており、どの部分を誰が細工したのかは、よっぽどの彫物好きか彫物マニアでもない限り、判別するのも困難かと・・・・。
まぁ~、墨書き銘でも入れてくれてれば、判別もそう難しくはないのですが。

前回紹介した腰回り正面と松良一対は、当サイトでもおなじみの《木彫山本》山本仲伸 師。
そして残る部分は、全て《筒井》一門総出のラインナップ。

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左右の縁葛と大屋根枡合を《木彫近藤》近藤 晃 師。

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左右大連子・小連子を《木彫筒井工房》筒井 伸 師。
右土呂幕を《木彫片山》片山 晃 師。
左土呂幕と見送り内部の馬乗り4体は《木彫岸田》岸田恭司 師。

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脇障子・摺出し鼻・摺出し受けを《木彫筒井工房》の重鎮、松谷隆司 師が担当。

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見送り下の連子を《木彫高浜》高浜輝夫 師。

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そして、小屋根枡合・大脇・見送り内の雑兵・竹の節などを《木彫前田工房》前田暁彦 師が・・・・。
特に、独立から二年目の前田 師にとっては、小屋根枡合・大脇などの重要部分をまかされ、力の入れようも相当なものだったことでしょう。

中でも土呂幕は、片山 師が右面の「佐久間の乱入」を、岸田 師が左面の「本能寺の変」を細工。

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そのさえ渡るノミ筋は、まさに『師弟対決』の様相さながら・・・・。

また、見送り「川中島合戦」は、岸田・松谷の兄弟弟子、岸田・前田の師弟の共演と言えるでしょう。

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さて、その彫物構成に目を向けると、左右の腰回りは、「信長公記」や「太閤記」などからの題材。
大屋根枡合は、「日本神話」、小屋根枡合には「源平合戦」。見送りは「川中島合戦」、見送り下には「太平記」、見送り虹梁が「大江山鬼退治」と、その題材もバラエティーに富んでいます。

さて、詳しい彫物図柄の構成は、入魂式当日に配布された彫物表や、只今寺門町内で製作中の新調記念誌をご覧いただくとして、お持ちでない方は当サイト「各町の地車」寺門町をご覧下さい!
主要部分の彫り物図柄を掲載しています。

>>>寺門町地車の詳細を見る

さてさて、今日の寺門町新調地車特集はこのへんでおしまい・・・・。

次回「最終回」は、もう一度同町地車を絶対に見に行きたくなるほどの、あっと驚くことを紹介する予定。
皆さぁ~ん、乞うご期待・・・・!!

信濃屋お半だんじり通信
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