茶屋のだんぢり漫遊録

目次

大東市灰塚の入魂式に行ってきたぞぉ~!

毎度、だん馬鹿ですチョキ

大関琴光喜、大嶽親方の解雇と、野球賭博問題で揺れに揺れる日本相撲協会。
まさか、横綱白鵬までが謝罪会見をおこなうとは・・・・。
11日から始まる大相撲名古屋場所の開催すら危ぶまれる中、一週間遅れで番付も発表。
しかし、解雇となった大関琴光喜や大嶽親方の名前は、削除が間に合わず番付に掲載されたまま。
謹慎処分の幕内6人、十両4人の計10人が全休する名古屋場所。
まだまだ、揺れ続けるのでしょうか・・・・。

さて、10日ほど前のこと、「となりの人間国宝さん」を息子に持つ、河内長野市のKさんから、4日(日)に大東市灰塚の地車の修理が完成し、入魂式がおこなわれるとの連絡を受けました。

灰塚の地車は、元 河内長野市西代で曳行されていたもの。現 西代の地車も時を同じく、灰塚が修理をおこなった岸和田市西大路の《北本工務店》で修理中。
西代にとっては、新旧2台の地車が同じ工務店で修理中とは、なんたる偶然。

私、だん馬鹿さんんも、西代で曳行されている時に数回見てはいるものの、平成17年に灰塚へ嫁いでからは、昨年の祭礼でちらっと見た程度。
先日、取材でお世話になった森河内新地のMさんからもお誘いを頂いたので、久し振りにこの地車を見てみようと、灰塚を訪れてきました。

神事がおこなわれる灰塚の素盞嗚神社に着いたのが、午前10時半ごろ。

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神社境内の真ん中に、修理を終えた同所の地車が飾り付けられて留め置かれていました。

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平成17年の購入時にも修理されているとは聞いていましたが、西代時代に見た時の太鼓台の様な「組み物」も取り替えられ、屋根廻りをはじめ、正面の土呂幕や勾欄・縁葛なども新調され、大きさも二回りくらい大きくなっており、「これがあの地車か」と見違えるようになった地車に驚きを隠せませんでした。

今回の修理では、枡組を化粧枡に組み替え、枡合の彫刻も新調されたよう。大屋根・小屋根の枡合は、「太閤記」からの題材で統一され、製作にあたったのは《木下彫刻工芸》。

この地車は、もともと明治期に新調されたと考えられる《住吉型》地車。彫物は《小松》一門の作。
堺市久世地区 平井で曳かれ、芦屋の会社社長に引き取られた後、昭和40年頃に《梶内だんじり》を通じ河内長野市西代が購入。
この時に、太鼓台風の組み物になったのかも・・・・。
そして、西代の現地車購入にともない、灰塚が購入。
平成17年9月19日に入魂式・御披露目曳行がおこなわれました。

昨日は11時過ぎより、神社拝殿で厳かに神事が執り行われ、地車の末永い曳行と安全曳行が祈願されました。
同市大野・朋来の南大東連合や東大阪からもお祝いに駆け付けられていました。

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御披露目曳行はおこなわれませんが、灰塚の皆さんの祭りへの情熱がひしひしと感じられた一時でした。

当サイト『だんじり』では、まだ大東市をはじめとする北河内地域の地車の詳細情報はアップしていませんが、「本年10月の祭礼までには必ずアップします!」と皆様方に固い約束を交わし、灰塚の地を後にしました。

「どこにも負けない心意気で頑張ってますので、灰塚のだんじりを見に来てください」と、会長の村田さん・若頭の船本君も熱く語ってくれました。

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本年の祭礼は、10月16・17日(土・日)。
17日、日曜日の午後にはJR住道駅南側の末広公園にて『南大東連合パレード』がおこなわれます。

是非一度、見に行かれてはいかがでしょうか・・・・!!

【灰塚地車 主な彫物図柄】
<大屋根鬼板(正面)>
獅噛み
<大屋根鬼板(後)>
獅噛み
<大屋根懸魚(正面)>
鳳凰
<大屋根隣懸魚(左右とも)>
雲に麒麟
<大屋根車板(正面)>
鶴 
<大屋根枡合(正面)>
宝珠をつかむ青龍

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<大屋根枡合(右)>
地震加藤
<大屋根枡合(左)>
加藤清正、虎退治
<大屋根枡合(後面)>

<柱巻き(左右とも)>
登り龍
<間仕切り>
牡丹に唐獅子
<脇障子(左右とも)>
武者もの(人物特定できず)
<小屋根鬼板>
獅噛み
<小屋根懸魚>
龍 
<小屋根隣懸魚(右)>
鳳凰
<小屋根隣懸魚(左)>
雲に麒麟
<小屋根車板>
松に鷲
<小屋根枡合(後正面)>
醍醐の花見

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<小屋根枡合(右)>
石川五右衛門、香炉盗り
<小屋根枡合虹梁(左)>
小田原討伐、政宗の遅参
<見送り(後正面)>
楠木正成の勇姿

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<見送り(右)>
「太平記」からの題材(人物特定できず)

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<見送り(左)>
「太平記」からの題材(人物特定できず) 

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<隅障子(左右とも)>
武者もの(人物特定できず)
<勾欄合>
牡丹に唐獅子
<縁葛(正面)>
矢作橋の出会い
<縁葛(右前)>
日吉丸、信長に初見参
<縁葛(右後)>
桶狭間の合戦
<縁葛(左前)>
小栗栖 光秀の最期
<縁葛(左後)>
尼崎の難
<縁葛(後正面)>
高松城水攻め
<土呂幕(正面)>
藤吉郎初陣、富士川の高名
<土呂幕(左右)>
図柄・人物特定できず
<土呂幕(後)>
「太平記」からの題材(図柄・人物特定できず)
<台木>
波に玄武
<幟差し>
松に猿

※図柄の左右は、地車本体正面から見たもの

信濃屋お半だんじり通信
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