茶屋のだんぢり漫遊録

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貝塚市橋本新調地車レポ-その参

まぁ~いろ、だん馬鹿れふぅ~チョキ

いやぁ~、連日の猛暑。
大阪でも連日35度を超える気温。
チョコレートなら、もうドロドロに溶けてしまいそうなこの暑さ・・・・。私の脳みそも、熔け出しそうぎょーん
「早く、涼しげな秋風の吹く季節になれやぁ~!」と思う、今日この頃でおます。

さて、今日の「だん通」は、前回に引き続き貝塚市橋本の新調地車レポの第三弾をお届けします。
前回は大屋根廻りから腰回りを簡単に御紹介しましたが、今日は小屋根廻りから見送りまでを御紹介。

まずは、小屋根の懸魚・・・・。

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近年新調された地車では、奥板に少々趣向を凝らし、余りお目に掛からない題材が用いられることもしばしば。
橋本の場合も、波間に大蛸の姿がユーモラスに刻まれています。

小屋根枡合は、オーソドックスに日本神話で三面を統一。
正面に「天の岩戸」、右に「八岐大蛇退治」、左は「神武東征」。

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これらの題材は、大屋根枡合に施されることが多いのですが、最近の新調地車では、小屋根に配されたものもちらほら・・・・。

そして見送りは、秀吉軍が根来勢を討ち負かした「根来征伐」。

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「根来征伐」を題材にした見送りは、この橋本一台のみかと・・・・。

この題材は、信長の時代から各地でおこなわれていた一揆衆の討伐に関連するもので、信長が本能寺で没した後、秀吉の命によりおこなわれた根来衆・雑賀衆・粉河衆などの一揆衆討伐の場面のひとつ。
その戦場となったのが貝塚の地で、根来寺の支城がいくつか築かれ、この橋本の地にはその中心となった積善寺城が築かれていたという。

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左の大脇(平側)には、馬上の秀吉の姿が・・・・。

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見送りの正面には、鹿角の兜をかぶった秀吉の嫡子 秀次の姿。

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そして見送り内部で、雑兵を持ち上げているのが、この根来征伐に加わった筒井順慶の家来の一人 嶋左近。

いずれの武将も迫力満点。

天正13年(1585年)3月におこなわれた「根来征伐」。
この後、紀州征伐がおこなわれ、秀吉の天下統一は盤若となるのである。

地車彫刻にはほとんど用いられなかった地元ゆかりの「根来征伐」の場面を、よくぞここまで上手にまとめ上げたものだと感心しまくり。

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そして、見送り虹梁には『橋本町歳時記』として、「嫁入り」・「生業」・「団欒(だんらん)」の様子が刻み込まれるなど、橋本の新調委員の方々と山本仲伸 師との綿密な打ち合わせと創意工夫がなし得た、地元ゆかりの見送りである。

さてさて、橋本新調地車レポも今回で3回目。
今回で終りにしようかとも思ったのですが、このまま書き続けると長くなるので、続きは次回の「だん通」で・・・・。

ほな今日はこのへんで、バイならぁ~パー

信濃屋お半だんじり通信
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