茶屋のだんぢり漫遊録

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堺市栂の昇魂式と、素朴な疑問・・・・

堺市栂の昇魂式と、素朴な疑問・・・・


毎度、だん馬鹿ですチョキ

ここ数日は、冬型の気圧配置。
そのため、冷たい強風が吹き荒れたり、曇天の空模様が続いています。
猛暑、猛暑と騒いでいた今年の夏が嘘のよう。
寒ぅ~い冬が、もうすぐそこまでやって来ています。
季節の変わり目、ユーザーの皆さんも体調管理にはくれぐれも御注意のほどを!

さて、今日の「だんじり通信」は、前回お届けした10月24日(日)におこなわれた堺市久世地区 小阪の昇魂式に引き続き、同日おこなわれた堺市上神谷地区 栂の昇魂式の模様をお伝えします。

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昇魂式がおこなわれた栂の地車は、明治5年(明治10年とも)に岸和田市池尻町が新調した小型の『岸和田型』地車。
同市八阪町、同市春木若松町、同市春木旭町、同市吉井町を経て、昭和61年に購入されたもの。
この地車購入を機に、先代地車曳行休止からおよそ15年振りに曳行が再開された、同町にとっても思い出深い地車です。
製作大工は《絹屋》絹井嘉七、彫物は《高松》一門の彫物師らの手によるものであると云われています。

製作から100年以上の歳月経てこれまでにも修理・修復が幾度となくおこなわれているようですが、老朽化と近年の『最速やりまわし志向』にともなう危険性を少しでも回避すべく、来年に地車を新調する岸和田市中井町より地車を譲り受け大型化を図ることに。

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当日は、午前6時半から町内をお別れ曳行。

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「やりまわし」はおこなわれませんでしたが、「ソォ~リャァ~」の掛け声も勇壮に栂の町内をくまなく曳行。

昭和40年代に地車の曳行が休止されて以来、この地車の購入がなければ、今日の秋祭りもおこなわれていたかどうだか・・・・?

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吉井町から購入した頃に生まれた子供も、今や青年団の中心的な年頃。
幼少の頃より、この地車に慣れ親しんできた者にとっては、思い出もひとしお。

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また、購入に携わった者、購入を機に青年団などの祭礼組織づくりに奔走した方々にとっては感慨深いものがあった事でしょう。

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思い出のたくさん詰まった地車と別れに、町内の多くの人々も見物に出てこられ、さながら祭の様相・・・・。

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お別れ曳行も終わり、神事がおこなわれる前には、青年団によるお別れセレモニーもおこなわれ、各祭礼団体の代表による地車への感謝の言葉が特に印象的でした。

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その後、神事が厳かにおこなわれ、この地車を購入する堺市日置荘西町東部へ引き渡され、いったん岸和田市の《池内工務店》に搬入。

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搬送車に積み込まれた地車は、25年間曳行されてきた栂の町を後にしました。

来春には、中井町より購入した地車で、入魂式・御披露目曳行が盛大におこなわれ、栂にとっての新しい歴史の1ページが始まる事でしょう。
新たな地車での再スタート。思い出をいっぱいつくっていただきたいものです。

さて、栂の昇魂式とは別に、私にとっては栂を訪れる機会があれば、是非一度、町内の年配の方々に聞いてみたいことがあったのです。
栂の先代地車、現在、堺市向ヶ丘町で曳行されている地車が、「いつ頃から栂で曳行されていたか?」が以前からの疑問でした。

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いろいろな地車関連誌やホームページなどを見ても、その記載はなし・・・・(見落としているのかも知れませんが?)。
今日まで、堺市内における岸和田型地車の曳行は昭和6年に新調された鳳地区 大鳥が最初とされているからです。
「ひょっとしたら、栂の方が・・・・」と、思い始めたら聞かずにはおられない私の性分。

搬送車を見送った後で、立ち話をされていた年配の方にその旨を尋ねてみました。
昭和17年生まれの方の話しでは、子供の頃には前の地車を曳行していたとのこと。
オヤジが若かった頃には、その地車を曳いていたと聞いてはいるが、いつ頃に購入したものかは町内でも聞いたことがないと話してくれました。
別の方からは、「子供の頃に俺だけしか自転車で渡れなかった板きれ一枚の橋を越えて、解体して持ち帰り、村で組み立てた」と聞いているとの答え。
しかし、それがいつの頃の話しなのかは聞いていないとのこと。
ほかに数人の方にお尋ねてみましたが、返ってくるのはみな同じ、「さぁ~、聞いたことないなぁ~」の答え。

昭和17年生まれの方でも、今年68歳。その方の親ともなれば・・・・。
今や、昭和初頭の話しでさえ風化してしまっている状況とあらば、解るはずもないかとあきらめムード。
しかし、「一度、寄り合いの席でも聞いてみて下さいよ」とお願いし、連絡先を渡し、栂の町内を後に・・・・。

その後、今日まで連絡はなし。来春の入魂式には、再度尋ねてみようと思っている今日この頃。
このブログを御覧になられた栂の方がおられましたら、一度手を尽くして調べてみてください!
ひょっとしたら、ひょっとするかも・・・・。

ほな、今日はこのへんで・・・・、バハハァ~イ!
信濃屋お半だんじり通信
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