灘区新在家の地車、ローソクのほのぼのとした灯りの中で・・・・
どもぉー、だん馬鹿です

今日8月24日は、地蔵盆。
地蔵菩薩の縁日(毎月24日)で、なおかつお盆の期間中でもある旧暦7月24日におこなわれる地蔵菩薩のお祭りのこと。
近畿を中心とする地域で盛んにおこなわれている民間信仰のひとつで、子供の守り神として地蔵菩薩を祀り、その加護を祈るもの。
新暦の7月24日におこなう所もあれば、旧暦風に8月24日におこなう所もあるようですが、私の住む堺近辺では8月23・24日におこなわれるのが一般的。

路傍や街角(辻)にお祀りされている『じぞさん(堺あたりでは愛着をこめてこう呼びます)』を洗い清め、新しい前垂れを着せ、飾り付け、じぞさんにお供えをします。
じぞさんの祠のまわりには、その地域に住む子供の名前を書いた地蔵盆独特の提灯が多く飾られ、日も暮れる頃には灯りが点され、夏の終わりの風情を醸し出しています。
私が子供の頃には、じぞさんにお参りするというよりは、供え物のお下がりのお菓子が貰え、近所の友人たちと夜遊びできる特別な日。
近年は少子化の影響もあってか、じぞさんのまわりの提灯も激減しているよう。
その少子化は、私たちがこよなく愛してやまない『だんじり』にも影響を及ぼしていること間違いなし。
曳き手不足による、「曳き合い」、「助っ人」は、あたりまえ・・・・。
これもまた、だんじり祭のイベント化・氏子意識の低下を助長しているのかも知れません。
じぞさんが祀られている路地の奥へ続くおびただしい数の提灯の列。
そんな時代がまた訪れれば、だんじり祭も安泰なんでしょうが・・・・。
さて、今日の『だんじり通信』は、ちょっとレアな話題をお届けしましょう。
去る7月10日の日曜日に神戸市灘区新在家(若宮)が同区畑原より地車を譲り受け、地車小屋のある若宮八幡宮に搬入されたことは、7月20日の『だん通』でもお伝えしました。
今年10月におこなわれる、同神社の秋季例大祭から曳行される予定との情報も耳にしてはいましたが、ひょっとすればその前に入魂式やお披露目曳行もあるのではと一部で噂になっていました。
そして、8月6日(土)の夕刻、台木の錺金物の町名も改められた新在家の地車がお披露目されました。

同日、若宮八幡宮と「酒蔵の道」会場におこなわれた『新在家キャンドルナイト』での初見せ。
このイベントは、地球温暖化防止/全国一斉消灯キャンペーンの一環としておこなわれたもので、家庭の電気を消し、ローソクのほのぼのとした灯りの中で省エネを考えてみよう!というもの。
神戸の地車の提灯には、今なお「ロウソク」が用いられていることからも、新在家の新しい地車のデビューには格好の場。

日も暮れた午後7時過ぎには、新在家、若宮と記された山型の弓張提灯に灯が入れられ、ほのかに揺れるローソクの灯りが風情を醸し出しています。
この地車を見に訪れた者、このイベントに訪れた人も、ちょっとスローなひと時を過ごされたことでしょう。

曳行されるとの噂もありましたが、境内の地車から留め置かれた道路まででした・・・・。
なお、地車小屋内の壁には、先の阪神淡路大震災で小屋ごと倒壊し、解体処分された先々代地車の彫物が残されていました。
残念ながら、尼崎市築地 丸嶋から譲り受け、数年後に老朽化のため解体された先代地車のものはありませんでした。

畑原から譲り受けたこの地車も、倒壊した先々代地車も、昭和の初めには時を同じく同市東灘区御影西之町で曳行されていた三台の地車の内の「子だんじり」と「孫だんじり」。
奇しくも、新在家の地で再開することになろうとは・・・・。

地車小屋の壁に取り付けられている「孫だんじり」の獅噛みは、今後「子だんじり」の勇姿を見守り続けていくことでしょう。
新在家地車の末永い安全曳行を願いながら・・・・。
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