茶屋のだんぢり漫遊録

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奈良県香芝市別所のだんじり その2・・・・

どもぉー、だん馬鹿ですチョキ

今日の『だん通』は前回に引き続き、奈良県香芝市別所のだんじり祭を紹介するのですが、その前に同所地車の簡単な御紹介から・・・・。

別所の地車は、江戸末期~明治初期に製作されたと考えられる『堺型』地車。

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製作大工は不詳ですが、堺の地車大工の手によるものと思われます。
腰廻りに8本の柱を配し、土呂幕部分は虹梁を境に上下二段に細工されています。

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もともとは、四方に担い棒(肩背棒)が廻されていなかったと思われ、正面土呂幕(花戸口)には引き出し式の担い棒を差し込んでいた切り込みも残っています。

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また、小屋根部分は下り屋根で細工されているのもこの地車の特徴と言えるでしょう。

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彫物は《彫又》一門の作と当サイトでは紹介していますが、久しぶりに訪れよくよく見て見ると《彫又》の手ではないよう・・・?

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《服部》一門の作風のようにも思われ、浅学な私では少々自信もなく、不詳としておくのが正しいかも・・・・(彫物研究の先生方、ご教授のほどを・・・・)。

さて、午後4時半をすぎた頃から半被姿の大人・子供が、池の横に止められた地車のところに集まりだしました。

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日も暮れはじめた午後5時、夜の曳行がスタート。
あたりは、まだ明るかったのですが、提灯には灯が点されています。

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子供らを中心に、老若男女に曳かれた地車は村落を進んで行きます。
御花(御祝儀)をいただいた家の門口では地車を停め、名前が読み上げられます。

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それと共に、屋根の上の猿と虎の着ぐるみをまとった若者が、太鼓のリズムに合わせて纏や電線避けの棒を振り回し、踊りを披露していました。

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以前に訪れた時と変わらぬ、猿と虎の舞、振り回す纏で、御花をいただいた家々の災いを振り払い、家内安全を祈っているのでしょう。

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その後も、御花をいただいた家々の前では踊りがおこなわれ、そのため地車はなかなか前へ進んで行きません。

旧村落の趣のある風景の中の地車曳行。
それも2年に一度の曳行とあっては、もう少しついて行きたかったものの、もはやこれまで、この後撮影に訪れる柏原市国分へのタイムリミット・・・・。

名残は惜しいものの、柏原市へ向け、車上の人と相成ったのでありました。

次回の曳行は、再来年の平成25年。
原型を留める『堺型』地車の一台、趣ある祭礼風景、2年後、是非一度見に行かれてはいかがでしょうか!


さてさて、お気付きの方も多いと思いますが、先週、当サイト『各町の地車』の姿写真の追加・差し替えを久しぶりにおこないました。

新調、修理をおこなったところを中心に11台分を更新。
こちらから、ダイレクトにご覧いただけますので、是非ご覧ください!!

★追加の部
●兵庫県伊丹市 寺本 (化粧なし)
●堺市久世地区 小阪 (化粧つき)
●岸和田市八木地区 中井町 (化粧つき)
●羽曳野市 古市西町 (化粧つき)

★差し替えの部
●富田林市 錦織 (化粧なし)
●貝塚市木島・西葛城地区 水間 (化粧つき)
●貝塚市木島・西葛城地区 清児 (化粧つき)
●貝塚市木島・西葛城地区 馬場 (化粧つき)
●岸和田市南掃守地区 山下町 (化粧つき)
●堺市八田荘地区 八田寺町 (化粧つき)
●兵庫県芦屋市 山之町 (化粧つき)

近日中にも、姿写真の追加・差し替えをおこなう予定にしていますので、乞うご期待!!

ほな、今日はこのへんで・・・・。
信濃屋お半だんじり通信
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