茶屋のだんぢり漫遊録

目次

尼崎市築地地区 小嶋の地車を見て来たぞぉ~!!

どもぉ~、だん馬鹿ですチョキ

今年のだんじり祭シーズンも10月31日・11月1日の両日におこなわれた奈良県広陵町 櫛玉比女命神社(くしたまひめのみことじんじゃ)の「戸たて祭り」で終了。
地車関連イベントも、11月3日(祝)の『大阪城天守閣復興80周年祭』城東地車聯合だんじりパレード、11月5日(土)におこなわれた『第1回宝塚だんじりパレード』で、こちらもオシマイ・・・・。

地車中毒症候群の皆さんにとっては、これからのオフシーズン、未曽有の苦しみ、地車禁断症状に悶え喘ぎながらの日々がお待ちかね。
そういう私も、毎年のように「だん通」のネタ切れにおびえながら、日々過ごさなければならず、苦悩すること必定・・・・。
毎度のことながら、辛いオフシーズンになりそうです。

さて、オフシーズンに入り、この土曜・日曜は休日をと思いきや、そうは問屋がおろしてくれるはずもなく、朝からカメラ片手に車に乗り込み、レッツゴ―。
いつもの出勤時間よりも早く、エンジン始動。
目指すは、兵庫県尼崎市築地
小嶋の地車が修理のために工務店へと搬出されるとの連絡をいただき、久しぶりに見せていただこうと、足を運んできました。

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小嶋の地車は、江戸末期に製作されたと考えられている地車。
文久3年(1863)の正遷宮の際に曳き出されたと云う小嶋浜町の地車を引き継ぎ、今日に至っているそうです。

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新調から永い歳月を経ているため幾度となく修理改修がおこなわれているようで、背丈も二度にわたって低くされ、昨今は尼崎市貴布禰・築地の両地区でおこなわれる『山合わせ』に対応できるように改造されています。
製作大工は不詳。
元々は『幕式』の地車で、見送りの三枚板の彫物は後年(昭和25・26年ころ)に他町から譲り受けたものです。

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譲り受けた三枚板は《相野》一門の手によるもの。
また、その他の彫物の中にも《相野》一門の作風と思われるものが組み込まれています。

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三枚板もさることながら、大屋根の天蓋に彫られた「龍」は、見る者をうならせるほどの秀作。

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歳月を経て、破損個所も多々ありますが、いずれの彫物も逸品揃い。
地車彫刻ファンにとっては、よだれの出る一台かと・・・・。

尼崎へ向かう途中、阪神高速湾岸線の工事渋滞に巻き込まれたものの、午前8時に小嶋の会館前に到着。

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小嶋の地車は、祭礼時と同様に飾り付けされ、永年の使用に感謝し修理の安全を祈る『抜魂式』が始まるのを待つばかり。

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ほどなくして、宮司さんが到着。
地車の前に祭壇が組まれ、ほどなくして神事が厳かに始まりました。

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その後、修理をおこなう岸和田市の《大下工務店》大下孝治 棟梁、職人さんたちが搬送車とともに到着。
飾り物・鳴り物が下ろされ、箱棟も取り外され、午前10時を前に、搬送車に載せられた地車は、一路、岸和田へと旅立って行きました。

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今回の修理は、屋形一式を新調交換。
彫物の欠損部分などを補修するとか。
来年9月の祭礼前には、装いも新たになった小嶋の地車が、我々の前にその勇姿を見せてくれることでしょう。

また、同市貴布禰地区 新三和も、堺市鳳地区 石橋より地車を譲り受けることが決定。

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去る10月30日(日)には、石橋より引き渡しを受け、こちらも《大下工務店》にて、「山合わせ」に対応できるように改修中。
諸事情により、昨年・今年と築地地区 本三の地車を借り受けて曳行していただけに、新三和にとってもこの地車の購入を機に新たな歴史のスタート。

小嶋の修理、新三和の地車購入と、来年は熱く燃え上がる築地・貴布禰両地区の祭礼に一層華を添えることでしょう。
今から、入魂式の日が楽しみでなりません・・・・。

ほな、また・・・・。



信濃屋お半だんじり通信
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