茶屋のだんぢり漫遊録

目次

奈良の地で、50年振りに太鼓の音高らかに・・・・

どもぉー、だん馬鹿ですパー

今からかれこれ10年ぐらい前のことだったでしょうか、奈良県下の地車見学に出かけた帰り道、ふと一台の地車のことを思い出しました。
その地車は、駅前にある地車小屋で眠りに就いたまま。
見せていただくことはできないものかと、町内の役員さんの家を聞き、訪ねては見ましたが、あいにくの留守。

一度火が点いてしまえば、やはり見たくなるのは地車好きの心情。
日を改め、再度役員さん宅を訪問・・・・。
今度は在宅されており、無理を承知でお願いしたところ、写真撮影はおこなわないことを条件に、快く地車小屋の戸を開けていただきました。

聞けば、40年ほど前から眠りに就いたままだそうである。
眠りに就いていたのは、大東市や四条畷市などを中心とした北河内地域でよく見られる『北河内讃良型』と呼ばれる地車。
江戸の末期から明治初期に造られたであろう、その地車。
小屋の中に入り、じっくり見せていただいたが、コマさえ何とかすれば、まだまだ曳行可能な状況と思えました。

これが、奈良県香芝市 上中地車との初めての出会いである。

月日は流れ、平成20年の晩秋の頃であったでしょうか。
上中の地車小屋があるJR和歌山線志都美駅前の整備事業のため、地車小屋が新築移転されるとの情報をGET。
岸和田市内の某工務店がコマの段取りのために上中を訪れたとの情報も得て、その信憑性も高くなった。

そして、年も改まり平成21年2月28日、午前9時過ぎから地車の移動が始まった。

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どこで聞きつけたのか、多くの地車ファンが詰めかける中、地車小屋の扉が開けられ、上中の地車がその勇姿を現した。

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ほとんどの地車ファンが、初めて目にする地車である。
町内に住む多くの者、この志都美の駅を利用している人にしても、初めて目の当たりにしたことであろう・・・・。

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新築された上中南集会所の敷地内に建てられた地車小屋まで、およそ500mほど、時間にして20分足らずの移動。
町内の方々とて、この地車を動かすのは初めての経験。

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いつの日にか、稲穂も黄金色に色づいた季節に、天高く鉦や太鼓の音を轟かせ、満面の笑顔あふれる子どもらに曳かれる地車の姿が見られないものかと願いつつ、帰路に就いたのが昨日のことのよう。

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その年の秋から、氏神様の志都美神社の祭礼日には、集会所内の小屋を開け、地車の展示がおこなわれているとの話を風の便りに耳にしていました。
ひょっとすれば、ひょっとするかも・・・・。

そして昨年夏ごろ、泉佐野市の《板谷工務店》により、コマをはじめ足廻りが整えられ、秋祭りでの曳行が再開されるとの情報が飛び込んできました。
私自身待ち望んでいた、上中地車の曳行復活!
昭和39年の秋祭りを最後に曳行されなくなってから半世紀、50年振りの快挙。

10月7日(日)には試験曳きがおこなわれたようで、秋祭りの地車は10月14日(日)の午後1時から6時までの間。

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7日は我が町の秋祭り。
14日こそは、記念すべき曳行復活の様子を一目見てみたいものだと段取りはしたものの、願いは天に届かず・・・・。
私は、午前中から和歌山県橋本市、夜には柏原市国分の祭礼撮影のため、上中には赴くことはできず。
上中へは、当サイトに協力していただいている友人Nくんを派遣。
その50年振りの曳行の模様などは、次回『だんじり通信』でお届けします。

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では、今日はこのへんで失礼します!
次回、「先人たちからの贈りもの・・・」に乞うご期待・・・・!!

信濃屋お半だんじり通信
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