8/31(日)兵庫県尼崎市塚口 宮の町 昇魂式・曳き納め
夏休み最後の日曜日、尼崎市塚口 宮の町地車の昇魂式・曳き納めがおこなわれました。
この地車は江戸末期から明治初期に製作された『板勾欄出人形式住吉型』地車。昭和37年に東大阪市瓢箪山方面より購入し、宮の町の人々に愛されながら曳行されてきました。新調以来100年以上の歳月を経て、老朽化も顕著に見受けられるようになり、この地車に代わるものを探していましたが、縁あって、昨年、堺市陶器地区北村(陶器北)より地車を譲り受けることが決まり、本年3月23日(日)には北村より次代の地車が搬入されました。
一方で、この地車の処遇が決定せず、解体処分も視野に入れ、売却先を探していましたが、このたび和歌山県橋本市学文路へ嫁ぐことが決定。北村より購入した地車の入魂式を直前に控え、お別れ曳行がおこなわれる運びとなりました。

当日は、午前中より昼食休憩を挟み午後二時ごろまで、老若男女の手により町内を曳行。曳き手ひとりひとりが、これまでの秋祭りでの数々の思い出を噛みしめるように・・・・。二時前には、最後の宮入り。神社の本殿前に留め置かれ、記念撮影。その後、ご祈祷がおこなわれ、三時すぎには学文路の人たちに引渡され、廻送車に載せられ、宮の町を後にしました。
嫁ぎ先の学文路の地においても、末永く、大切に曳行されることを願いながら・・・・。

なお、この地車、彫物は《堺彫又》一門の作。製作大工は《住吉大源》。なお、この《住吉大源》という大工について詳細は不明。《住吉大佐》と同じく、住吉の地で、同時期に同タイプの地車を製作していたと考察できます。見送り出人形の裏側には、「大源」の墨書きが残されています。
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