茶屋のだんぢり漫遊録

目次

オッとびっくり、岸和田市内畑町 修理完成入魂式・・・・

どもぉー、だん馬鹿です!

今から17・18年前のこと、自町の地車新調の下準備を兼ね、自らの地車・地車彫刻の研究のためにと始めた地車工務店・彫物屋さん廻り。
週末土曜日の午後ともなれば、あちらこちらの工務店・彫物師さんの元を訪ね、ちょっと見せてくださいねと仕事場の中へ・・・・。

知人にお願いし連れて行ってもらったり、たまたま入魂式で顔を見れば、「〇〇さんの親方ですよねぇ~」と声をかけ、顔を忘れられないうちに仕事場を訪問。

そんなことを繰り返しているうちに、地車・彫物のことだけではなく、世間話に噂話、はたまた地車業界の将来的展望まで話すように・・・・。
中には、職人さんから「お友達来てるでぇー」などと親方に言われるほどで、仕事場見学のみならず、個人的にお世話になっている方も少なからず・・・・。

しかし、夢であった自町の地車新調が完成し、この地車総合サイト『だんじり』の仕事をするようになった頃から、以前のように足繁く工務店や彫物屋さんに遊びに行く機会もめっきり減少傾向。

そんなこともあり、彫物の入れ替えや、地車の屋形を作り替えるほどの大修理がおこなわれていようが入魂式当日までわからないことも。
以前は、新調地車もいち早く工務店でご対面ということが多かったのですが、昨今は入魂式当日に初対面・・・・。
中には見損ねたまま越年し、翌年の祭礼で初めて見て驚くことも。

さて、今年も我が町 堺市津久野の秋祭りがおこなわれていた10月6日(日)、岸和田市内畑町忠岡 仲之町で修理完成入魂式。

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この日は、堺以南のほとんどの所で祭礼や試験曳きがおこなわれ、我ら撮影部隊もチーム編成に四苦八苦。
どうにかやりくりは付けたものの、岸和田市内畑町の入魂式の撮影には、私 だん馬鹿さんが仕事に託け(かこつけ)、自町の子供曳行時間を抜け出し、赴くことに・・・・。

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平成9年に《天野工務店》天野行雄 匠のもとで新調され、平成11年に完全完成した内畑町の地車も、新調から早くも15年の歳月が流れ、初めての大がかりな修理がおこなわれると耳にしたのが今年の春先。

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どうやら、《天野工務店》の流れを汲む、泉大津市内に作業場を構える《泉谷工務店》泉谷浩文 匠の手でおこなわれるとか。

同じ泉大津市内に仕事場を置く私としては、仕事の合間に同工務店を訪れ、どのような修理がおこなわれるのか一度は足を運んでおこうと思っていたものの、行動が伴わず断念・・・・。
入魂式当日が、この地車との久しぶりの対面。

入魂式・御披露目曳行は、午前7時から9時までの2時間と聞いていたので、午前6時40分に現地に到着。

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当日は、絶好のだんじり日和、秋晴れの好天。
午前7時に小屋を出発したところで、泉谷 匠と久しぶりに対面。

「あれぇー、祭りは・・・・?」と若き親方も驚いたようで、「サボりで撮影・・・」と答えれば、二人そろって大笑い。
これ幸いと、今回の修理内容を聞けば、地車本体の洗いに締め直し、大屋根は作り替え、彫物も一部入れ替えたとのこと。

若き親方の横を見れば、これまた《木彫山本》山本仲伸 師のお弟子さん、飯坂秀太くんの姿が・・・・。
これまた幸い、「彫物入れ替えた・・・?」と問えば、竹の節と物見、幟台を彫替えたとのこと。

オッとびっくり、山本 師の仕事場へもトンと御無沙汰、内畑の彫物を彫替えていたとは・・・・。

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ここのあと、神社御旅所での神事の間や御披露目曳行のあとで、師の作品を見せていただいたが、なかなか手の込んだ力作。

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大脇の上の竹の節と物見には烏天狗、脇障子の上の物見には内畑町に残る古から伝承される風習が彫り刻まれているのだとか・・・・。

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幟台は水桶の台に積まれた前テコで隠れ、全容を見ることは叶いませんでしたが、鯉のぼりに三人の唐子が彫られているよう。

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御披露目曳行は内畑交差点を中心に、内畑の町内を曳行。

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昨年に地車の買い替えを果たした内畑町下出の地車との顔合わせ、勇壮な「やりまわし」もおこなわれ、御披露目曳行は午前9時頃に無事終了。

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地車小屋の前では、各祭礼団体が和気あいあいと記念撮影。
私も少々お手伝いし、青年団にハイチーズ。

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撮影を終えたところで、青年団の中から一人の青年が「だん馬鹿さん!」と声をかけてくれました。
一度、私の仕事場にも着たことがある青年で、当サイトの撮影を手伝ってくれるN君の友人。
私のことを覚えていてくれたらしく、懇切丁寧に今回の修理、物見に彫られた内畑の風習の説明もしてくれました。

驚いたのは、竹の節・物見・幟台のほかにも、大屋根左の枡合いも彫替えられているとのこと。

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以前と同じ「義経、八艘跳び」の図柄ですが、松田正彦 師がノミを振るったのだとか。

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新調から15年余り、その間も私自身見る機会が少なかった地車だけに、教えてもらわなければ気が付かなかったところ。

よくぞサボって、見に来たものだと思いながら、山里内畑の町をあとにしました。






信濃屋お半だんじり通信
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