茶屋のだんぢり漫遊録

目次

泉州木彫界に新風を巻き起こす・・・・!?

どもぉー、だん馬鹿です!

普段から、取材や私用で地車彫刻に携わっている彫物師さんの仕事場を訪れます。
誰もが、欅や檜などの用材に向かい、一心不乱にげんのう(金づち)を振り下ろし、手にしたノミを器用に動かしている姿には、感動すら覚えることも・・・・。
仕事場に響き渡る、テンポ良い槌音もまた、心地よく感じられます。

親方やお弟子さんは、座布団に座り、時には足で用材を動かないように固定し、朝から夕方まで、忙しい時にはその作業も深夜にまで及ぶことも。

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一日中、座布団に座り、うつむき加減での作業は、多くの彫物師さんにとっては辛い作業。
一年中、同じ姿勢で用材と向き合い、ノミや彫刻刀を走らせる地道な作業があればこそ、町の宝・町の象徴と云われる素晴らしい地車の彫物が誕生するのですが、その反面、多くの彫物師さんを悩ませているのが、辛い腰痛。

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主に彫刻刀を用い仕上げを担当するお弟子さん、ノミやげんのうを使い荒彫り(たたき)をおこなう親方や熟練したお弟子さんとて、誰しもが腰痛に悩まされ続けているてのが現状。
同じ姿勢で、日々作業を続けているのですから、腰痛は持病であり、職業病でもあります。

それを克服するために、日頃からウォーキングをしたり、筋トレしたり、マッサージを受けたりと、誰しもが何らかの対処策を講じているようです。

さて、昨年の暮れのこと、この『だん通』にも度々登場してもらっている《木彫山本》山本仲伸 師の仕事場に半年ぶりぐらいでお邪魔しました。

いつもは、仕事場の一番奥で、座布団に座り、真剣な眼差しで作業されているのですが、この日はいつもと様子が違っていました。
風の便りに聞いていたのですが、いつものように座っていると思いきや、作業場の奥に机(作業台)を置き、その上用材を乗せ、立ったままで荒彫りをしているではありませんか・・・・(ギョっ)。

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座ったままの姿勢で長時間作業するよりも腰への負担もかからず、自らが動けば用材の向きを変える必要もなく、作業効率も大幅にアップ。

海外の彫物師さんや彫刻家さんなどは、立ち仕事で作品製作していることを聞き、自らも試しにやってみたら、身体への負担も少なく、楽に仕事ができ、効率も良いので導入したのだとか・・・・。

また、師の傍らで作業している3人のお弟子さんたちも、椅子に腰かけ、作業台(机)に向かい、作業しているではありませんか・・・・。

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お弟子さんの一人、飯坂秀太くんも、「腰も楽ですし、作業もやりやすく楽です」と、ニンマリ・・・・。
今年新調完成予定の貝塚市南近義地区 堤地車の彫物の仕上げを黙々とこなしていました。

泉州地域の地車彫刻界に革命を起こすかも知れない『起立型彫刻作業』『着席型彫刻作業』・・・・(勝手に名付けちゃいました)。
《木彫山本》に続いて導入する工房が現れるのかどうなのかは知る由もありませんが、身体への負担軽減、作業の効率アップを考えるなら、まさに最善策なのかも知れません。

その分、作業に集中できるとともに、創作意欲も高まる可能性も大・・・・!?
泉州木彫界に新風を巻き起こすかも知れませんねぇー?

ほな今日はこのへんで失礼します・・・・(ペコっ)。


信濃屋お半だんじり通信
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