茶屋のだんぢり漫遊録

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神戸だんじり祭に『阪神住吉駅前』アリ!

まぃど!

ゴールデンウイークの紫外線に、こんがり『春灼け』した信濃屋です。
m(_ _)m




皆さん今年のゴールデンウイークは堪能されましたか?

このサイトの情報をもとに、あちこちのだんじりを求めて、お出かけ頂けましたでしょうか?


今回は、そんなゴールデンウイークの数ある『だんじり行事』の中から、ワタクシが一番印象に残った場面をご紹介しましょう!





5月2日から4日間にわたり各地区で行われる
『神戸だんじり祭』




中でも5月4日は、東灘区ですべてのだんじりが繰り出す一番のピークデーです!

各地区が各時間帯で繰り広げるパレードや宮入り、練り合わせなどはどこも大いに盛り上がり、熱いドラマを見せてくれます。



そんな中、平成22年から続く、比較的最近始まった見どころがあります。


それが、 『阪神住吉駅前の練り合わせ』で、あります!




本住吉神社7地区の内、呉田區、住之江區、茶屋區、西區の4台で行う練り合わせです。


そう・・・台数の面では・・・



10台が集まる『本山だんじりパレード』や、11台が集まる『御影だんじりパレード』にはかなわないのですが・・・




その雰囲気の盛り上がり は、他の見どころに一切の引けを取らない、正に“鳥肌モン”の様相を呈するのです。


今回は、その臨場感を文章で再現してみたいと思います。





5月4日、夕刻・・・



阪神電車の住吉駅前にある、2車線道路が交差する小さな交差点。

この交差点が、その舞台なります。


午後3時半を過ぎた頃から、西方面から茶屋區、南方面から呉田區、北方面から西區がそれぞれ姿を見せ、交差点にて合流。



この時点で現場には各だんじりの鳴物が交錯し、すでに並々ならぬ雰囲気に!…




東方面の遠くには、住之江區の姿があり、こっちに向かって来ています。


北方向から来て阪神電車のガードをくぐった西區が、交差点南西側の路地側へ付けた頃、東方向から住之江區が
『とばせっとばせー』
で交差点へ滑り込んで来ると、あたりはもう興奮のるつぼ に…!



それぞれのだんじりが交差点の中央へと前進し、
『サーントーセー!』
の掛け声とともに前の棒鼻を高々と差し上げ、入り乱れる4台分の鳴物に、辺りは騒然とした雰囲気になります。

屋根の上では20人30人という乗り手が両手のハタキを大きく振り、だんじりの前に乗る四役は棒鼻の上に踊り出て、団扇や弓張を振り上げます。




ここから2台ずつが交差点中央で向き合い、己の力をを鼓舞し、また相手を煽りつつ、それぞれが
『サントーセー』
で差し上げ、挨拶を交わします。



その後、向き合った2台はご祝儀の交換を行い、友好を確かめ合います。



これを各區すべての組み合わせで行うので、都合6回、このご祝儀の交換による差し上げ合いが見られます。

この間、向き合うだんじり同士は、友好を交わしながらも意地を張り合い、何度も何度も差し上げを行う ので、何とも言い難い興奮と熱気に包まれます。




これ、一度味わうとクセになりますよ…!


『神戸だんじり祭』の間中、それこそあちこちの地区で見られる複数のだんじりによる『練り合わせ』ですが、とりわけここ『阪神住吉』での練り合わせは、その興奮の度合いと熱気に於いて、別格と表現して差し支えないと思います。




さてさて、それぞれのご祝儀交換が終わり、4台のだんじりが一旦定位置に戻ると、鳴物を止め、長らく続いた興奮と熱気が、ひとまず落ち着きます。




その後は、一台ずつの『練り廻し』の披露へ…。



再び鳴物を始めただんじりは交差点中央にて、『サントーセー』による練り廻し。



本住吉7地区のだんじりにとっては、5日夜の宮入りに於ける練り廻しこそが一番の見せ場になるので、ここでの練り廻しは時間の都合もあり短め。



そして・・・



例年であれば、4台の練り廻しが終われば流れ解散となるのですが・・・



今年はそこへ・・・



お隣の地域から、魚崎區のだんじりが合流、参加して来ました。



魚崎は、この『阪神住吉』が行われている頃、住吉川に架かる『反高橋』にて、吉田区のだんじりと顔合わせ を行なっているのですが、その帰り道に、住之江區の招きもあって、阪神住吉駅前を通って帰る形で、合流となったのです。



各だんじりが練り廻しを終えた交差点に、魚崎區が 登場した時の盛り上がりは、この上なかったです。

各だんじりの責任者が一同に集まり、魚崎とご祝儀の交換を済ませた後、魚崎のだんじりも練り廻しを開始。


住吉4台のだんじりが見守る中、それらに全く負けない堂々たる練り廻しを見せつける魚崎のだんじり。

それを囲む住吉4台も、やがて鳴物を打ち鳴らし、前を差し上げて答えました。


5台分の鳴物と掛け声が交錯し、交差点一帯が再び興奮のるつぼと化し、この日一番の盛り上がりが訪れました。


この光景を見つめながら、ワタクシはしばし呆然と立ち尽くしてしまいました。


正に、この雰囲気にノックアウトされたかの様な感じ。



やがて歓喜の内に解散して行ったそれぞれのだんじり。

その後ろ姿を見ながら、ワタクシは何か、夢でも見ていたかのような感覚に浸っていたのでした。




来年も魚崎が参加するかどうかは未定であります。

それだけに、今年の『阪神住吉』は、貴重な貴重な光景となったのは間違いないでしょう。




今回のブログは、『阪神住吉駅前の練り合わせ』をお届けしました。

 
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