平野区・加美正覚寺、今年も走り出す!
7月に入り、ようやく梅雨らしいお天気が続くようになりました。
6月中の京阪神の雨量は、平年の3割程度だったらしく、こういう年の7月は大雨に注意せねばなりません。
自然界は必ず帳尻を合わしてきますから、これから梅雨明けに向けて、だんじり曳行日に大雨が当たる日もあるかも知れませんよ~!
ハイ、お天気博士の信濃屋ですぅ~。
今回は、平野区・加美正覚寺の話題をお届けしちゃいます。

このブログでも過去“だん馬鹿さん”の時代に何度か触れてきている加美正覚寺ですが、今回、『入魂式』という形でご紹介するのは初めてかな?
とゆー訳で、加美正覚寺の歴史をチョロッとおさらいしときましょう!
加美正覚寺は平野区・旭神社の氏地で、明治25年に住吉のだんじり大工《大佐》にて新調されただんじりがありました。
このだんじりは大正2年頃に泉大津の宮本町に売却され、昭和11年に東大阪の長田中に売却されました。
つまり現在、長田中にて現役で曳かれているだんじりこそ、加美正覚寺の先代だんじりであります。

さてこの加美正覚寺では、先代だんじりを大正2年頃に手放して以降、平成に入るまでだんじり曳行は途絶えていました。
旭神社の祭礼そのものが、平成に入るまではだんじりが存在せず、現在の加美北東にあたる町会が、トラックをだんじり様に改造したものに囃子を積み、地域を回っていました。
平成4年、JR加美駅の北側に位置する細田が、和泉市池上町の先代だんじりを購入し、旭神社の氏地にてだんじり曳行が復活しました。

細田のだんじり購入により旭神社の祭礼でだんじり曳行が実現した事で火がついたか、加美正覚寺も平成9年に和泉市・信太・幸地区の王子町より購入したのが現だんじり。

その後、平成11年に加美北東も、同じく和泉市・信太・幸地区の富秋町よりだんじりを購入し、いずれも和泉市から購入されただんじり3台が、旭神社の祭礼に曳き出される事になり、現在の『細野商店前』のメイン通りも整備され、7月16日の本祭にはパレードが行われるまでになりました。

これらの中でも加美正覚寺は、当時から『泉州式曳行』を取り入れ、泉州式の鳴物で本格的な遣り廻しを行うという、当時としては大変センセーショナルな祭礼で一躍話題となりました。

現在でも大阪市内で『泉州式曳行』を行う唯一の存在として知られています。
そんな加美正覚寺が今年、岸和田の《大下工務店》にて修復し、6月29日(日)に入魂式を行いました。

加美正覚寺のだんじりは江戸末期から明治初期にかけて製作されたとされ、大工・彫師はハッキリしない、擬宝珠勾欄住吉型のだんじり。

平成18年に、岸和田の《井上工務店》にて修理を経験しています。
今回の修理は、昨年破損した『抜き腕』の交換が主な内容で、大規模な修理ではありません。
さて当日は午前9時に小屋を出発し、鳴物ナシで神社へと向かいます。
そのまま旭神社の境内に曳き入れ、入魂式。

帰り道より鳴物が入り、ようやく曳行の雰囲気が出ました。
とは言え、遣り廻しは午後の試験曳きまでお預け。

午前中に一旦小屋へ戻り、午後2時から試験曳き。
この時を待ちかねたかの様に、小屋のある道から最初の交差点を、まずは北向きに遣り廻し。
ぐるりと北回りのコースを大きく巡り、途中で休憩も挟みながら、午後3時半ごろに、遣り廻しのメインとなる『細野前』の交差点に到着。

毎年この交差点を中心に行ったり来たりしながら、遣り廻しの練習を重ねます。
時期外れに遣り廻しが見れるとあって、毎年この試験曳きには、泉州方面より多くの遣り廻しファンが訪れます。
この日も交差点には多くのギャラリーが詰めかけ、遣り廻しに見入っていました。

加美正覚寺の祭礼は、7月16日の神社祭礼の夜に宮入りが行われますが、遣り廻しを行う曳行日は、19日(土)・20日(日)の両日。
午前中は子供たちも参加して基本的に走らず、夕方に提灯を付けてから、遣り廻しを含む曳行になります。
19日(土)・20日(日)の両日は、大阪夏祭のピークデーで、あちこちのだんじりが曳き出されています。
そんなだんじりツアーのメニューに、こちら加美正覚寺を加えてみるのもアリかな?
では今回はこの辺で~!
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