茶屋のだんぢり漫遊録

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私は岸和田で、こんな場面が好き・・・

あれほど待ち焦がれた9月が、あれよあれよで、もう終わろうとしています。

今月は『岸和田9月祭礼』の試験曳きに始まり、その本祭があり、尼崎の築地や羽曳野の誉田などもあり、秋祭に向けた入魂式もいくつかあり、堺市の各地区が試験曳きを迎えたと思ったら、もう残すところあと3日…。

早いったらありゃしないよ…

なんか、ずっと何かに追い回されてるような毎日を過ごしておるワタクシ、信濃屋です。

そこで今回のブログは、ワタクシもちゃんと9月を過ごした『証』を残すべく、『岸和田だんじり祭』のことを書き記したいと思います!


題して、岸和田でワタクシの好きな場面。


炎の如く燃え上がり、怒涛のように繰り広げられる岸和田だんじり祭は、その どこを切り取っても絵になり、また人を惹きつけて止まない祭なのですが、あまりにも広範囲すぎて、ひとまとめに出来ません。


という訳で、ワタクシ目線で見た岸和田祭の、こんな場面が好き・・・というお話を書いてみます。

難しい話題はヌキにしますので、肩の力を抜いて、お付き合い下さい!



ワタクシの好きな場面、その一つは、9月7日(日)、試験曳き第1回目から。


基本的に試験曳きの日の、各町出発からカンカン場までの動き方は、宵宮の『曳き出し』と同じ様な態勢で行われます。
つまり試験曳きの始まり方は、言うなれば『仮装・曳き出し』なのです。

言い古された表現ですが、一年間、待ちに待った思いが、一気に爆発する瞬間。
それを早朝6時ではなく、日曜日の午後に体感できるのが、この1回目の試験曳きなのです。



この始まりの瞬間…!

岸和田の町のあちこちから、この日この瞬間を待ちに待った各町のだんじりが、町内から飛び出してきます。



実はこの日、岸和田の町はもう午前中からソワソワとしております。

各町のだんじりは朝から小屋の前に出され、早い町なら午前中に小屋から定位置まで移動曳行されます。

それぞれの町が、それぞれの思いを胸に、その瞬間が来るまでを過ごして来るのです。

やがて午後になると、町の様子は一変。


一年ぶりに祭装束に身を包み、各町揃いの法被を纏った参加者たちが、だんじりの周囲に集まります。
鳴物がゆっくりと刻み、はやる気持ちを抑えます。

曳き綱が伸ばされ、青年団が綱を握り、声を出します。
後梃子は緞子を張って、緊張した面持ちでその時を待ちます。

やがて責任者がだんじりの前に乗り、大屋根の大工方が立ち上がって両腕を広げると、いよいよだんじりは走り出す態勢。
進行旗が『進め』の合図を出すと、それを見た若頭が団長に促し、団長が団扇を上げて笛を吹く瞬間!…

鳴物が変わり、大きな掛け声とともに、だんじりは走り出します。


この瞬間、参加者全員が、全身に電気が走ったような感覚とともに、無我夢中で駆け出します。

これがまさに、今、始まった瞬間!


実は『曳き出し』よりも、この最初の試験曳きのこの瞬間の方が、ワタクシは毎年印象深く、また思い入れが強いのです。

こうして、各町はそれぞれの戦場へと出て行きます。




今回は岸和田祭の始まる、その第一歩目を書き記してみました。

こんな内容もたまにはいいよね?

この続きはまた近いうちに・・・
今回はここまで。

信濃屋お半悠遊!だんじり録
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