秋祭り…隠れた名場面 ~東大阪・布施~

台風が連続でやって来た今月前半の各土日を中心に、『泉州十月祭礼』が行われました。
これから十月後半にかけては、祭の主な舞台は『泉州』から『河内』へと移ってゆき、その他の様々な地域の秋祭も、いよいよ大詰めを迎えております。
今回のブログはそんな各地の秋祭の中から、ちょこっと『撮って出し』みたいな感じで、昨日行われたこんな風景をお届けします!
わがモバイルテレビジョン(株)では、当サイトと、姉妹サイトの『eo Special Edition』を並行して展開していますが、それらと連動して、公式ツイッターも展開しています。
そのツイッターでも昨日画像を上げてつぶやいた、東大阪市は長瀬神社の宮入りから、その後の布施地区界隈で行われた、珍しい場面をご紹介しましょ!
東大阪市・布施、長瀬地区。

この地区が他の地区と一番違っているのは、祭礼日の設定であります。
現在、どこの地域も祭礼の土日化が進んでいるため、河内や泉州の祭礼もおおかたの地域は土日に祭礼を行い、神社の祭礼神事もそれに合わせて行われる傾向にありますが、ここ布施、長瀬や長田といった地域では、町内を曳き廻す日は各町の都合で設定され、宮入りだけは神社の祭礼日に合わせるということが行われます。

という事は、例えばA町は神社の祭礼前の土日に曳いて、B町は一日ずれた連休に曳いて、それぞれ宮入りは神社の祭礼日に行い、どちらの町も平日の何日かは曳かないという、『飛び石』的な日程になるのです。
こうした日程の取り方は、土日でないと人数が集まらない事情や、神社の祭礼ではない日に宮入りしても仕方がないという考えから生まれたものと考えられ、我々の様に、だんじり情報を発信する立場の者からすると、各町の曳行日を事前に確認するのが至難の業になってくるのです。
土日祭礼としては注目度が薄い反面、『平日にだんじりの集合が見れる機会』としては、レアな一面もあります。
さて、10月15日・・・
この日は東大阪市の布施、長瀬地区のみならず、隣接する大阪市の生野区でも各地区で祭礼が行われていますが、平日という事もあり、だんじりの出番は、その多くが夕方以降。
まずは夜7時…
長瀬神社に、5台のだんじりが集合しました。
一番に到着したのは年番に当たっている横沼。
鳥居の下に陣取ります。

宮前に小屋のある衣摺は曳いておらず、小屋を開けてお出迎え。

そこへ大蓮、北蛇草、柏田の順で到着し、長瀬神社5ヶ村のだんじりが、長瀬神社前に輪を作って集まりました。

夏祭の時の宮入りは、神社前の八尾街道を舞台に勇壮なパフォーマンスをしながら1台ずつ宮入りしますが、秋祭の宮入りはこうして宮前に揃って宮入り。

各町、御花の交換やお祓いなどがあり、一斉『大阪手打ち』にて解散。

入り乱れる囃子の音色の中、1台ずつ宮前を離れて行きます。
ちなみに、夜の各町の『三枚板』の彫物はこんな感じ。

提灯ではなく、ライトアップすることで、昼間とは違う見せ方をしています。

さて、宮入りを終えた北蛇草と横沼は、神社の氏地を越えて布施方面へと向かいます。

夜の9時、着いた先は岸田堂。
実は今年、岸田堂の青年会の会長さんが、7年間務めた会長の座を引退するとの事で、繋がりの深い町で集まってセレモニーなのです。

氏地の垣根を越え、3台のだんじりが輪になって手打ち。

その後、3台で布施駅方面へと進み、三ノ瀬公園前の交差点まで来ると・・・
今度は生野区から、腹見のだんじりが登場!

地図をお持ちの方は参照していただきたいのですが、生野区と東大阪市の境界線は非常に入り組んでいて、腹見と岸田堂は隣村にあたるのです。
夏祭はお互い祭礼日が違うのですが、秋祭は祭礼日が重なるため、時間さえ合わせば会うことが出来ます。
今年は岸田堂青年会の会長さんの引退のため、北蛇草、横沼、岸田堂、腹見という、めったに見れない顔合わせが実現しました。

決して大規模なだんじり祭ではありませんが、平日の真ん中で、こんな貴重な場面が行われているんですね~。
また機会があれば、こんなささやかで貴重な場面や、まだまだ知られていないあんな場面、こんな場面、ご紹介できたらいいなぁ…って考えております。

それでは今回はこの辺で~!
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