茶屋のだんぢり漫遊録

目次

写真だけじゃ伝わりにくい!…海の向こうのオモロイ祭



信濃屋でございます。


たまにテレビなんか見ておりますと、
『プロの料理人が知る、ホントは教えたくない穴場的な名店』
・・・てな企画を目にする事がございますな。


プロの料理人がプライベートで行く隠れ家的なお店で、大々的に教えてしまう事であんまりたくさんの人に押しかけられると困るから、ホントは教えたくないんやけど、でも美味しい!・・・

みたいなね!



今回ご紹介する祭は・・・

まぁそれに近いような、ホントは教えたくないけど、サイトユーザーの皆さまだけにこっそり教えよう・・・みたいな感じなんで、ちょいとお付き合いを願います。


こんだけ勿体つけて、
『なんや、知ってる~!』
言われたらどうしよかな?



場所は兵庫県・淡路島!



明石海峡大橋のすぐたもとの港町、淡路市・岩屋!



対岸に明石の町を望む、淡路島北端の漁師町、岩屋。

海岸には漁船が並び、お天気のいい休日の午後には、磯釣りを楽しむ人の姿も見られる、のどかな港町です。




この時点で『知ってる~』って言える人も、案外多かったかも知れませんね。


この岩屋の氏神さま、石屋神社(いわやじんじゃ)と岩屋八幡神社の春祭りが、この5月9日・10日の両日行われ、ワタクシは10日の午後に見て参りました。





本祭礼は秋の9月なのですが、春にも祭礼があります。

但し!

毎年だんじりが出るかというと、そうじゃない!

今回、春祭りにだんじりが曳き出されるのは2年ぶり。

しかも全部のだんじりが揃うのではなく、1台か2台
今年出番となったのは片濱のだんじりです。





ではどんな祭か見て行きましょう!



だんじりの形式はご覧の通り、簡素な屋台だんじりなのですが・・・



この雰囲気ね!



まさに写真では伝わりにくいのですが、ずっとマイクで曳き唄を唄いながらの曳行なのです。


じゃあ南河内に近い雰囲気なの?・・・と言われると、そうでもない。


南河内の『曳き唄』は青年団が主体ですが、こちらの『曳き唄』の唄い手さんは着物姿のおばさま。



色んな曳き唄の曲目がありますが、一番ポピュラーに唄われるのは『鹿児島おはら節』です。

  『花は霧島~ たばこは~国分
   燃えて上がるは
  オハラハー 桜島~
  アヨイヨイヨイヤサット!』


この節回しで延々続く『曳き唄』に合わせて、老いも若きもみんなが扇子を振りながら盛り上がる、この雰囲気が独特なのですわ。






そして、この祭のもう一つの顔は、子供たちの日本舞踊



着物姿に化粧を施した小学生の子供たちが、要所要所で設置される舞台の上で、演歌に合わせて日本舞踊を披露します。

この時は特に、町のおじいちゃん、おばあちゃんが、だんじりの近くに椅子を出してきて、子供たちの艶やかな舞いに、目を細めながら見入っています。





それが終わるとまた曳き唄を唄いながらの曳行。


この雰囲気は、たまらんね~!




やがてこの祭の最大の見せ場、岩屋八幡神社への宮入り

地元では『ひっこみ』 (曳き込みが訛ったもの)と呼ばれるその宮入りは、まさに遣り廻しで神社の拝殿前まで突進してゆくもの!



そして拝殿前では、老若男女が入り乱れての大盛り上がり!




まぁ、ホントは動画で見てもらいたい・・・。






日が傾き始める夕方6時半過ぎ・・・


提灯に灯が入り、神社を出発すると、あとは帰り道・・・なのですが・・・



曳き唄の雰囲気はここからさらに盛り上がり、だんじりもなかなか前に進みません。


長い曳き綱いっぱいに、町内の人が総出で綱を持ち、子供たちも固まって盛り上がります。




いや~、酔いしれます・・・




この、『子供からお年寄りまでみんなが一緒に楽しめる』というのが、『祭』のあるべき姿ではないかと、この祭の風景をみつめながら、そんな思いを噛み締めてしまいました。





秋はどうしても行けないので、来年の5月、また見れるかなぁ~?




当サイトとしてもなかなか詳細の掴みにくい祭なのですが、また情報をキャッチ出来たら、お知らせしたいと思います。




今回はここまで。


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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