茶屋のだんぢり漫遊録

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とある平日の朝から北河内型のだんじりを拝見!

ゴールデンウイークあたりから5月の後半にかけて行われた『春祭りシーズン』も終わり、ひとまず落ち着きを取り戻しております。




まぁほんの束の間の休息なのですが、このタイミングでちょっと、時期を遡った話題をお届けしましょう!




ただ今、5月としては記録的な暑さが続いておりますが、春の訪れすらまだまだ先だった3月まで遡ります



3月4日(水)!


そう、平日でありますが・・・



寝屋川市明和(国守)のだんじりの修復が完成し、この日に搬入されると聞き、拝見してきました。




午前9時半頃、トラックに載せられ到着しただんじり。



『北河内型(讃良型)』の巨大なだんじりなので、大屋根はまだ載っておらず、現地で載せる作業をします。







寝屋川市・明和という地域は、寝屋川市の南東部に位置していて、四條畷市に隣接しています。

氏神は國守神社で、神社横にだんじり小屋があります。




こちら明和(国守)のだんじりは、江戸末期から明治期に製作されたとされる、『北河内型(讃良型)』のだんじり。

大工は不明ながら、彫師は《相野》一門の手によるもの。



小屋根車板の唐獅子は、《相野》の真骨頂を見せつける豪壮なものですね~。



他にも見るべき作品は数々ありますね~。



やっぱり年代物のだんじりは見逃せないです・・・





今回の修復は文化庁の助成を得て行われた『文化庁認定 地域活性化事業』の一環で、平野区の《大市》河合工務店にて施工されました。




かつてのだんじり本体には一部彩色も施されていましたが、今回の洗い・締め直しにより、それらの彩色も洗い流され、元の姿に復元されました。



彫物も洗いと、欠損部分のかけつぎ等がなされ、破損の激しかった大屋根正面の獅噛み、小屋根飾目等は、《井波彫刻》野原湛水 師により復元新調されました。







こちら土呂幕は、製作当時から施されていたものか、後から組み込まれたものか、意見が分かれるところです。

敦盛呼び戻す熊谷次郎。





土呂幕に彫られる題材としてはポピュラーな図柄です。




こちら國守神社は、祭礼日が10月の秋祭シーズン真っ只中という事で、なかなかこの地域まで祭礼を見に来るチャンスもなく、こういう貴重な機会に拝見させてもらおうと、足を運ばせてもらった次第です。




とは言え、この日は平日の午前中とあって、地元の人達の姿もまばら。


大屋根が載せられ、完成した姿のだんじりを小屋に納めるには、凹凸の激しい土地を押さねばなりません。

巨大なだんじりを、見学に来ていた我々もお手伝いに加わらせてもらい、みんなでだんじり小屋に格納しました。



この小屋も大変古い建物のようで、一部損傷もあり、この古いだんじりを末永く保存するには、小屋の補修、もしくは建て替えなども必要かも知れません。


どうかこのだんじりを、こへからも大切に保存してもらいたいと願う次第です。


大々的なお披露目行事等は、行われない模様。

また祭礼日に、是非一度足を運ばれてはいかがでしょうか?





今回はここまで~。


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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