この夏一番のトピック・メイキング…《後編》

前回、だんじり好きにとっての夢のような願望として、似通った2台のだんじりを並べて見比べてみたい・・・というのがあり、この夏、その中の一つが実現したことをお話しました。
生野区・生野神社『地車講』のだんじりと、東大阪市・北蛇草のだんじり。


昭和の名だんじりとして名高い、堺市は鳳地区・野田の先代だんじりと、それを手本に作られたもう1台のだんじり。
7月12日(日)・・・
この2台のだんじりが、生野神社『地車講』の入魂式の日に、ついに邂逅を果たし、多くのだんじりファンの前に、その両雄並んだ姿をお披露目しました。
今回はその模様をリポートします。
近づく台風の影響からか、この日の大阪は南からの湿った空気によって、7月とは思えないほどの猛暑に。
そんな中、午前10時半から生野神社にて、『地車講』新だんじりの入魂式が執り行われました。
近隣各町の関係者に加え、このだんじりの前の地、鳳の野田からもたくさんの人が訪れ、このだんじりの新天地での門出をお祝い。
お昼になり、いよいよ東大阪市から、北蛇草のだんじりが到着!
北蛇草はこの日のために、わざわざトラックを手配しての参加とあって、このだんじりを並べるプロジェクトに対して、並々ならぬ意欲です。
というよりむしろ、この2台のだんじりを並べることは、北蛇草の皆さんにとっても念願であったのです。
という訳で、ついにその時がやって来ました!

生野神社のだんじりと北蛇草のだんじり、それはまるで織姫と彦星であるかのように、時空を越えての邂逅が実現した瞬間でした。

こうして見比べると・・・
やはり相違点もかなりあり、似通っている点よりも、それぞれの個性が際立っている方の印象が強いです。

多くのだんじりファンが待ち望んだその光景に、次々とシャッターが切られます。
それら多くの人達の中に、彫師・木下賢治 師のお姿もありました。

午後2時になり、生野神社の近隣から田嶋、生野八坂、そして岡のだんじりが続々と到着。


生野神社、北蛇草の2台のだんじりを囲むように、5台のだんじりが揃い踏みしました。
2台のだんじりの横並びだけでも夢の実現なのに、加えて近隣の3台が花を添えることで、稀に見る豪華な一大イベントとなりました。

これを見逃す手はないと、詰め掛けた多くのだんじりファンの、格好の被写体です。

生野神社『地車講』会長の発声による一斉『大阪手打ち』のあと、生野神社のだんじりを先頭に、北蛇草、田嶋、生野八坂、岡の順で、なんと5台による『連合曳き』がスタート!


このプランは大々的には発表されていなかったので、まさかの展開に驚かれた人も多かったはず。


生野神社の氏地を、5台のだんじりが連なって曳かれる光景など、長らくこの地にだんじりがなかった時代に、想像すら出来なかったこと。

夢の光景が延々と繰り広げられます。


約1時間にわたり、生野神社の氏地をザッと巡ってきた5台のだんじりは、さらにここからサプライズ!


生野神社のだんじりを中央に、その両脇を北蛇草と田嶋が固め、さらに両サイドに生野八坂と岡がはいり、なんと5台のだんじりの『横並び』が実現しました!

これは完全なる『記念撮影』モード。
5台のだんじりを一枚のフレームに収めんと、ここでも多くのだんじりファンが仕切りにシャッターを切ります。
参加者全員揃っての記念撮影。

近隣の3台を加えて、4台での顔合わせは、またこの先も見られる可能性はあるでしょうが、ここに北蛇草のだんじりが加わっていることが、どれ程貴重な事でありましょうか!
おそらくこの先、北蛇草のだんじりを加えてのコラボレーションは、そうそう実現できないと思います。
二度とない光景、二度見出来ない夢・・・
この夏一番のトピックは、こうして作られ、こうして終わりを迎えます。
記念撮影を終え、最後の一斉『大阪手打ち』の後、一台、また一台と列から離れ、それぞれの地元へと帰って行くだんじりに、一抹の寂しさが胸を締め付けます。

そして迎えるは、夏祭本番!
新たに生野神社のだんじりとして再出発したこのだんじりが、末永くこの地で愛される事を願って・・・

生野神社『地車講』の皆さん、この度は地車購入ならびに入魂式、お披露目、本当におめでとうございます!
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