茶屋のだんぢり漫遊録

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7年ぶりに見てきました!…池田市・石段を登り降りするだんじり《後編》


前回からの引き続き!


8月23日(日)に行われた、『いけだ・いらっしゃいフェスティバル2015』に合わせて曳き出された、池田市は新町のだんじり。




いよいよクライマックス、58段もの『石段登り』に挑みます!



石段上にある鳥居を見上げるとこんな感じ。



そして、石段下のだんじりを見下ろすとこんな感じ。




その高低差は伝わるでしょうか?


だんじり廻りを固める男たちも、綱を持つ子供たちも、みんながこのだんじりを引き上げる戦力です!




石段下で少し休憩を取り、十分気力を整えただんじりは、6時20分!・・・意を決したかのように最初の一段目に足をかけます



鳴物は、大阪のだんじり囃子で言う『ふたつ(二力)』と呼ばれるフレーズの、片方だけを繰り返す感じ。

その鳴物に合わせて、『アーヨイヨイ!』の掛け声とともに、だんじりは一段、また一段と石段を登ってゆきます。




男たちはほぼ全員が上半身裸。

だんじりの前を受ける者、後ろから押し上げる者、双方の呼吸がピッタリと合って、だんじりはゴトッ!ゴトッ!という音を立てながら、波打つような動きで石段を登ります。




この光景は圧巻ですね・・・



鳥居の目前まで登ってくると、池田市内が一望できるようになります。



これだけの高さを、一段一段登ってきたのか・・・と感慨にふけってしまいます。


一段目を登り始めて、あれよあれよの内に、15分ほどで58段の石段を登りきりました





しかし、これで終わりじゃ~ない!



鳥居をくぐってからの参道は森の中へと入り、なだらかな登り坂の途中途中で、また不定期に段差があります。



少し進んでは一段登り、また少し進んでは一段登りの繰り返し。

これはこれで結構大変。



さらに難所は続きます。


神社の境内へと入るためには山門をくぐるのですが、この山門が低いのです。

ここをくぐるために、だんじりはまず獅噛みともども箱棟を外します




それだけじゃまだくぐれない。


さらに大屋根を外します




この光景にはビックリ!


大屋根を外され、車板があらわになった 『青空状態』で、いざ山門をくぐります。






この時点で夜7時。
完全に日没を迎えました。


境内に入ったところで、大屋根を取り付け





さぁ~これでまだ終わりじゃない!


境内の中央にある『能舞台』の周りを、だんじりは反時計回りに周回するのです!




泉州で言う熊取は大森神社の宮入りのようなもの。

兵庫県の三田市にある三田天満宮でも、同様の曳き廻しが見られますね!



だんじりには箱棟が取り付けられていませんが、だんじりを収納する小屋がまた小さくて、箱棟つけたた状態では収められないので、付けずに曳いています。


辺りはすっかり暗くなっていますが、だんじりは最後の力を振り絞り、出番の終わりを惜しむかのように能舞台の周りを廻ります。





こうして、だんじりが石段を登り降りするという貴重な機会は終わりました。

毎年ではなかったのですが、実は来年もこの時期に出ることが決まっているそうです。






また来たいと思わせてくれる、素朴にして味わいのあるだんじり曳きでした。

今回はここまで。


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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