柱巻きの龍が異彩を放つ、川面南の入魂式
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さて、今回もまた改修を終えただんじりの、入魂式の模様をお届けしようと思うのですが・・・
9月5日(土)!
宝塚市の川面南のだんじりが、泉大津市にある《泉谷工務店》にて改修を終え、入魂式が行われました。

宝塚市の川面地区には、東・西・南の3台のだんじりがあり、阪急宝塚線・清荒神の駅から徒歩で南へ10分ほどの場所にある川面神社と、宝塚駅の北東側にある皇太神社の二つの神社祭礼として曳き出されます。
9月5日(土)は、川面南の氏神となる川面神社にて入魂式が行われ、その後お披露目曳行が行われました。

従来なら入魂式とお披露目曳行はその1日で終了なのですが、何と翌日の9月6日(日)には、川面東と西のだんじりも駆けつけ、川面地区3台であらためて祝賀曳行が行われたそうです!

しかしその日は岸和田の試験曳きの日という事で、我が社の取材班はこの5日の入魂式を見に行って参りました。
この川面南のだんじりは、明治15年に製作されたもので、大工は地元の大工《大中》坂本伊之助、彫師は《二代目・高松彦四郎》を名乗った、安田卯之丸であります。

元来『幕式だんじり』ゆえ、彫物は屋根廻りから脇障子にかけてなのですが、摂河泉に広く名作を残した卯之丸のノミ跡は、このだんじりにもしっかりと刻み込まれています。

さらに今回の修復では、正面柱巻きに豪壮な龍の彫物が追加され、また縁葛も彫り替えられました。

この彫物を手掛けたのは、新進気鋭の若手彫師 《木彫 古澤》古澤知貴 師。
平成元年生まれに堺市で生まれ、平成17年に《木彫 山本》山本仲伸 師に弟子入り。
平成25年に独立し、《木彫 古澤》の看板を掲げました。
その柱巻きの龍の彫物に目を移せば、風を受けてたなびくたてがみに眼光の鋭さなど、師匠の作風によく似ています。

また数ある『宝塚型』のだんじりの中で、柱巻きに彫物を施したのは今回の修復がおそらく初めてでありましょう。
元来『宝塚型』のだんじりは、豪華な刺繍の飾り幕を自慢する風習があるため、柱などの舞台廻りには、あまり彫物を施しません。

そのため今回の修復により、だんじりの姿見はこの柱巻きによって、その印象を大きく変えました。
もしかしたら今後、この様な修復が増えるやも知れませんね。
また縁葛に目を移せば、そこには『源平合戦』に題材を求めた場面が施されていました。

おなじみ、『敦盛呼び戻す熊谷次郎』あり・・・

『屋島の合戦、義経の弓流し』あり・・・

『富士川の合戦、黄瀬川の対面』あり・・・

師匠から教え込まれた技に、自分なりの表現方法を織り交ぜんと、古澤師の苦心の跡が伺えます。
さてこの日は川面南1台だけでのお披露目曳行です。

子供さん達をはじめ町内の皆さんが楽しく綱を持ちながら、地域を曳行して廻りました。

明治の彫物に平成の彫物が融合し、『宝塚型』だんじりに新風を吹き込んだ形となった、川面南のだんじり。
10月の祭礼本番には、また川面地区3台のだんじりが揃って見られます。
是非ここ川面地区の祭礼にも足を運んでみてください。

川面南の皆さん、だんじり改修完成、おめでとうございます!
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