ちょっとじっくり見てみたい、そんなだんじり
いや~、一年なんてあっという間!
春から始まった『だんじりシーズン』も、あれよあれよの内に最大のピークも過ぎて、もう残すところあと僅かとなってしまいましたよ・・・

とはいえ、各地の秋祭もまだ少し残っており、また昇魂式に曳き納めなどの行事ごともあり、さらに『だんじり in 大阪城』も控えておりますので、まだまだだんじりの出番はありますよ!

『だんじりシーズン』のラストスパートに向けて、再度アクセルを踏み直しましょう!
さて今回、何かブログネタはないかいなぁ?・・・と、我が社の撮影部隊が東奔西走して撮り溜めた写真を眺めておりましたら・・・
ちょっと気になるだんじりを発見したので、ここにご紹介したいと思います。
こちら!

はい、東大阪市は『盾津(六郷)地区』の、吉原のだんじりです。
『盾津(六郷)地区』と言えば、東大阪市の中でもなかなか注目度の高い地区であります。
それは、この地域に点在する10台のだんじりが、それぞれに型や形態の違う、多種多様なだんじりが集まっているからに他なりません。
『北河内型』あり、『岸和田型』あり、『大阪型』あり、『折衷型』あり・・・
10月第3週目の土日に行われるこの地区の祭礼において、以前は日曜日の午後に10台のだんじりが一同に会する『パレード』が行われていたのですが、現在は北部と南部で分散して行われています。
で、『岸和田型』のだんじりを有する町が『遣り廻し』を行うなどの関係で、南部のパレードに注目が集まる傾向にあるようなのですが・・・
私の目にとまったのは、北側のパレードに参加するこのだんじりでした。

この吉原の氏神様は栗原神社で、川田の地域の南隣。
川田のだんじりもワタクシ好みのだんじりであることは以前にこのブログでも触れたと思います。

こちら吉原のだんじりは昭和13年に貝塚方面より購入したとされていますが、堺市内のどこかから購入とも言われています。

いずれにせよ、泉州方面から購入したものでありますがご覧の通り『大阪型』に分類されるだんじりで、製作年代と大工は不詳とされています。

一説には大阪の天王寺近辺の大工の製作とも言われていますが、その『天王寺近辺の大工』とは誰のことでしょうかね?
彫師は《彫清》一門か、はたまた辻田友次郎との見立てがなされています。
なるほど、この獅噛みを見るあたり、東大阪市は御厨の先代で、現在は生野区の『岡』が所有しているだんじりは、以前これとよく似た獅噛みでありました。
その獅噛みは『岡』にて取り外され、現在は旭区の中宮のだんじり(岡の先代)に取り付けられています。

また大阪狭山市の茱萸木南のだんじりの獅噛みもこれに類似しています。
そして何よりワタクシがこのだんじりでひときわ目を惹かれたのは、こちら見送り三枚板の唐獅子。

正面は残念ながら後ろ旗が取り付けられてあり拝めなかった様ですが、この写真は左側のもの。
味わい深い唐獅子で、雰囲気の似たものに同じ東大阪市は長田東のだんじりがあります。

こちらは生野区・四條の先代だんじりで、彫師は辻田友次郎とされています。
で、こちらの見送り三枚板に強烈な存在感を放つのがこちらの唐獅子。

吉原の三枚板正面の唐獅子と、雰囲気が似てるんですよね。
一度、飾り物ナシでゆっくり鑑賞させて頂きたい1台と言えるでしょう。

さて、これから冬に向けて、またまた『オフシーズン』が到来します。
シーズン中は、活発に行われる『だんじり行事』を中心にブログを展開していますが、また『オフシーズン』に入ると、一つのテーマを元に掘り下げたりする内容のブログが多くなります。
こうして1台1台のだんじりをじっくりご紹介するような内容も、増やしていけたら良いですね。

今回はここまで・・・
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