今年で引退のだんじり、最後の舞台は太閤さんのもとへ・・・《後編》

前回に引き続き、今年で現役を退いた大東市は西諸福のだんじりについてお送りしていきます。

来年、新調だんじりの完成を控え、このだんじりは今年で現役を引退。
10月18日(日)に最後の祭礼を終えたのですが、最後にもう一つ、引退に花を添える晴れ舞台が用意されました。

それが『だんじり in 大阪城』への参加です。
11月3日(火祝)当日・・・
まだ夜も明けきらぬ午前5時頃、西諸福のだんじりはトラックにて大阪城公園にやって来ました。

この写真がややボケているのは、あまりの気温の低さに、レンズが湿気を帯びて曇り気味なんですね~。
トラックから降ろされただんじり。

この時点ですでに到着しているだんじりも何台かあり、西諸福のだんじりも、その出発待ち列に加わり、夜明けを待つのでした。
午前9時を回り、この日に参加しただんじりが出発を待っていました。
西諸福のだんじりは、前を東成区の深江、後ろを東大阪市の岩田のだんじりに挟まれ、その時を待っています。

こうした普段はあり得ないだんじり同士のコラボこそ、『だんじり in 大阪城』の魅力でありましょう。
秋祭の時に、だんじり正面には御幣と、御祝儀を吊るす用の笹が取り付けられていて、前からの姿見撮影は出来なかったらしく、そこはワタクシに撮影ミッションが回ってきました。
しかし、御幣に関しては夜明け前にトラックから降ろされてすぐに乗せられてしまったので、獅噛みだけの単体撮影は残念ながら叶わず。


しかしまぁ、ワタクシにとってもこの日が初見となり、また最後となるこのだんじり、この貴重な機会を逃す手はありません。

ワタクシも積極的にカメラに収めます。

やがて出発の時間がやってきて、順番に曳行開始です。
今年の『だんじり in 大阪城』は、11月1日(日)から参加している14台に、この日から参加した11台が加わり、合計25台のだんじりが一同に集まりました。
そんなキラ星の如き『だんじり群』の中にあって、西諸福のだんじりも完全に溶け込んでいて、何の違和感もなく曳行されていました。

やがてメイン会場である『太陽の広場』に入場。

両隣は西淀川区の野里東之町と、東大阪市の川田のだんじりでしたが、そんな『3台並び』の写真は残念ながら撮れておらず・・・
パフォーマンスタイムには他のだんじりに負けじと、大観衆を前に独自のパフォーマンスを繰り広げていました。

なかなかの盛り上がり。
そして最後は、夕暮れ時を迎えた会場内で『直線ダッシュ』に挑みました。

この日詰めかけた多くの観客の中に、このだんじりがこの日で最後であることを認識していた人がどれ程おられたかはわかりませんが・・・
明治期に製作され、大正時代から約一世紀にわたって西諸福にて活躍しただんじりは、最後の最後に大阪城の天守閣に見届けられながら、その長い現役生活に幕を降ろしました。

なお、このだんじりの売却先はまだ決まってないそうです。
さて、新調だんじりは現在、岸和田の《大下工務店》にて製作中!
彫物は《辰巳工芸》が担当しています。
新調だんじりの完成も楽しみですが、今一度、このだんじりの長年の労をねぎらい、『お疲れ様、ありがとう』の言葉を贈らせて頂きます。

今回はここまで・・・
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