紀伊長島の海を見つめる舜次郎作の龍

昨日の雨で、桜はほとんど散ってしまいましたね~。

せっかく咲き揃ったのに、何もあんな激しく降らんでもええやろ・・・て思ってしまうほどの雨でした。
短い春、桜は川となりて、時の流れを押し流す・・・

今回のブログは、時事ネタがないのでちょいと趣向を変えます。
久々の、シリーズ『神社仏閣』です。
今年に入って間もなく、姉妹サイト『だんじりeo SE』の別コンテンツ『eo 関西の祭り』の取材で、三重県は紀伊長島を訪れていました。

またここ、『紀伊長島の船だんじり』については、『eo 関西の祭り』を参照して頂くとして、ここではそのこぼれ話的なものを。
この三重県の南部、太平洋に面した紀伊長島に、だんじり彫刻界にその名を残す、とある名匠の作品が残されていますので、ご紹介いたします。
その人の名は木下舜次郎。
場所はこちら、紀伊長島の海沿いにひっそりと佇む『法照院』と申します。

その作品がこちら。

本堂入口の蟇股にて、紀伊長島の海を見つめる龍であります。

しかと見ていただきましょう。

裏側には木下舜次郎の銘が記されてあります。

こちらは木鼻の獅子。

桁隠しの飛龍。

こちらは手挟み。

本堂の内部にも法話にまつわる場面を施した彫物があるのですが、そちらは舜次郎の作ではなさそう。
堂内ということで、お写真はお見せしかねます。
また山門には、本堂とは少し雰囲気の異なる獅子がおられまして・・・

蟇股には鳳凰が・・・

その裏側を見ると、そこにはこの様な銘が。

本堂と山門、どちらも改修等は施されておられないようで、また年中温暖な太平洋からの潮風を受けているせいか、どちらも乾燥が著しく、これらが同じ年代の作品かどうかは、判断しかねます。
まぁしかし・・・特に泉州のだんじり彫刻に於いて、多大なる功績を残す両巨匠の作品が、遠く離れた紀伊長島にて今もこうして残されていることは、喜ばしいではありませんか。

なお、お寺さんの中でありますので、ご見学に訪れる際は、必ず御住職の許可を得てから立ち入られますよう、お願い申し上げておきます。

今回はちょっと旅情編でしたね。
次回・・・もまた・・・、うん、そんな感じかなぁ?
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