大阪市内唯一の『神戸型』、その姿を崩さずリニューアル

早い早い早い早い!
もう6月入っちゃいましたよ・・・
あー早い早い早い早い!
月に代わって、お仕置きよ・・・
違う!
月が変わって、6月よ!
もう暦の上では夏の到来。
春の祭礼、だんじり行事も今はもう過ぎ去りし夢の跡・・・

目の前には夏祭が迫ってきております。
今回のブログは、暑い日が続いた5月の終わり頃のお話。
昨年10月の終わり頃に、平野区の《大市》河合工務店へと修復のために搬入されただんじりを覚えておられるでしょうか?
そう、同じく平野区の六反のだんじりです。

この度、約半年間にわたる修復を終え、地元へと搬入されましたので、その模様をお届けしましょう。
六反のだんじりに関する概要などは、昨年10月28日更新のブログを参照して頂くとして、今回は修復完了しただんじりをじっくり拝見させて頂きます。
5月28日(土)のこと。
河合工務店の作業場にて搬出を待つ六反のだんじり。

小雨の可能性があったので屋根はシートで覆われ、まだ獅噛みを含めた全体像を拝むことはできません。
工務店から道路へと出され、トラックに積み込まれます。

大阪市内唯一の神戸型として紹介されることの多い六反のだんじりですが、今回の修復でも、その型式を崩さず、神戸型としてのフォルムは継承されています。

細かい説明などは後にして、ひとまず、慣れ親しんだ六反の土地へと馳せ参じましょう。

ワタクシはいち早く六反へと赴き、赤坂神社の前でトラックの到着を待ち構えます。
程なくして、だんじりを載せたトラックが到着です。

昨年10月のブログでも少し触れていますが、赤坂神社の前の道路は昔はこんなに広くなく、旧村の中に静かに佇む神社だったのですが、現在は再開発が進んで大きな道路に面する神社となりました。

その一角に位置する六反のだんじり小屋。

ここへ無事に収められてから、屋根を覆っていたシートが取り外され、だんじり全体の姿見があらわになりました。

最大の特徴である『とんび屋根』に、《彫寅》北野寅蔵が残した獅噛みは健在!
強烈な存在感を出しまくりです。
今回の修復では、屋根、台木、通し柱を新調交換。

以前は背丈が3メートルを下回っていましたが、この度50cmばかり背を上げ、バランスの良い背格好に。

修復前は腰が低く、担い棒に埋もれていた感じの勾欄も、今回の修復で縁葛を新調し、美しい撥ね勾欄が蘇りました。

彫物は土呂幕を中心に縁葛、脇障子などが彫り替えられ、その彫師は新野佑一 師。

《井波彫刻》野原湛水 師のお弟子さんで、独立後は師の地元・福井県は若狭の熊川にて《新野彫刻店》の看板を掲げる新進気鋭の彫師さん。

六反の土呂幕には『忠臣蔵』から題材を取り、『刃傷松の廊下』、『上野討取り』、『清水一学の奮戦』などが彫り刻まれています。

さてこの日は搬入で、入魂式は6月5日(日)。
諸事情によりお披露目は行われないという事なので、当日は現地へ足を運べば、このだんじりを拝見できるものと思われます。
ワタクシは当日は別用により入魂式を拝見出来ませんので、この日に見学させて頂きました。

六反の皆さん、入魂式に先駆けますが、この度はだんじり修復完了、おめでとうございます。
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