茶屋のだんぢり漫遊録

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梅雨の初めはこのだんじりの記念曳行から

 



とうとう近畿地方も梅雨に入りましたね~。
平年よりも少し早めの梅雨入りで、今日も朝からけっこう本降りな雨となりました。

この梅雨の後半にはもう夏祭シーズンが開幕します。
暑い夏もすぐそこまで迫って来てますな。

さて今回のブログはそんな梅雨入りの日となりました、6月5日(日)に行われただんじり行事をお届けしましょかね。




堺市神石市之町にて、『だんじり復活30周年』と銘打たれた記念曳行が行われました。



朝から梅雨の雨が降りしきる午前7時に、だんじりは一路、氏神である石津神社へ向けて出発!


雨の中、交差点で綱を張って耐える女の子。



石津神社へ向けての遣り廻しです。






さてさて、この神石市之町についてご紹介してゆきましょ。

現在は津久野地区の連合に加わり、JR津久野駅周辺にて行われる連合曳きに参加している神石市之町でありますが、その氏神である石津神社は現在、堺市堺区に住所を置き、いわゆる堺の旧市内の、南の端っこと呼んでも良さそうな位置にあります。




神石市之町も住所的には堺市堺区ですが、石津川の南側に位置する町で、厳密には『旧市内』とは言いがたく、大正時代には『泉北郡上石津村字市村』と記述されています。



『だんじり復活30周年』というのは、昭和48年にだんじりを手放してのち、昭和63年に《太鼓正》よりだんじりをリースして復活した年から数えて30周年となります。


その後、平成2年に岸和田市の積川町西の先代だんじりを購入。

現在のだんじりは、平成7年に貝塚市の王子町から購入したもので、大正12年に製作されたもの。



大工は《絹屋》絹井楠次郎、彫師は玉井行陽、金山源兵衛とされています。



彫物に現在のだんじりのような派手さはありませんが、古いだんじり独特の雰囲気が残されており、味のある彫物が鑑賞出来ます。




平成25年に《北本工務店》にて修復され、大屋根・小屋根の枡組、勾欄、松良、見送り下の半松良などを新調交換されています。



ちなみに修復彫師は《木下彫刻工芸》の手によります。





降り止まぬ雨の中、遣り廻しは繰り返されます。




時間にして午前10時半を回った頃、ようやく雨も落ち着いてきたところでシートが取り外され、『だんじりの顔』とも言える屋根を拝むことが出来ました。




小屋根の葺地が『二重破風』になっていないのも製作当時の面影を今に残す貴重な部分であります。




その後も遣り廻しを含めた曳行は行われ、おおかたお昼前に、記念曳行は無事終了しました。




あいにくのお天気ではありましたが、最後には雨も上がって、参加者の皆さんも、また集まった多くの見物客も、秋の祭礼本番に向けて気持ちを高ぶらせることが出来たのではないでしょうか?





神石市之町の皆さん、この度はだんじり復活30周年、誠におめでとうございます。


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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