藤井寺だんじり物語 ~二つの村の今昔~ 《後編》

前回から引き続き、藤井寺市の伴林から沢田へと嫁いだ、『岸和田型』だんじりについてお送りしています。

伴林の西隣、藤井寺市の中心部にほど近い沢田の地域では、長年にわたり、『子供だんじり』というか、手作りのだんじりを曳行してきました。
現在のだんじりの横に並べられているのが、その『手作りだんじり』でありまして・・・

6月12日(日)、伴林から購入した現だんじりの入魂式と同時に、こちら手作りだんじりの昇魂式も執り行われました。

ここ沢田でのだんじりの歴史はいつ頃から始まったものかは不明なのですが、初代のだんじりは地元の大工の作であったそうで、50年以上も前に処分されています。
この手作りだんじりは平成23年に、同じく藤井寺市の大井から購入したもので、これが沢田にとって53年ぶりのだんじり復活となったそうです。

藤井寺市の大井では平成18年に和泉市の春木川から購入したもので、現だんじりの購入に伴い、沢田へと嫁がせたものなのだそうです。
沢田にて、現だんじりの購入に伴い、和歌山県は橋本市、隅田地区の有志へと嫁ぎます。
こうして、だんじり文化は連綿と受け継がれてゆくのですね。
手作りだんじりと言えど、嫁いだ先で地域のコミュニティ作りに一役買い、地域の人々の繋がりを生み出すものになれば、大切な宝物となるでしょう。
さて、伴林から購入された沢田の現だんじり。

入魂式の後、町内をお披露目曳行されました。

手作りだんじりから再開された歴史ゆえ、組織作りもこれからという感じでしょうか?
曳き綱を持つ参加者も、着の身着のままな感じで、ざっくばらんに参加しています。

いずれにせよ、これから沢田の地域にて、新たなコミュニティの中心となるのでしょう。

『岸和田型』として生まれたそのだんじりは、地域から地域へ、人の手から手へと渡り歩く過程でその姿を変え、『上地車』的要素を多く取り入れられた姿となっておりますが、それでも『だんじり』として、この先の人生を歩んでゆくのであります。

このだんじりが沢田にて末永く愛されますことを祈りつつ・・・

沢田のみなさん、この度はおめでとうございます。
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