茶屋のだんぢり漫遊録

目次

だんじり小屋のお引越し《前編》

 


だんじりあるところ、必ずそれを格納する『だんじり小屋』(地車庫)が存在します。



これも一つの建造物でありますから、老朽化に伴う建て替え、または新しい場所への移転など、主役であるだんじり本体の陰で、こうした小屋の変遷もまた、各町各地域によって、様々な動きがあるものです。



こちら、平野区加美北東のだんじり小屋も、これまでの場所から少し北へ行った場所に建て替えられ、だんじりのお引越しが行われました。





経緯から申しますと、5月29日(日)・・・

同じく平野区の、細田のだんじりが修復を終え、加美神明公園にて入魂式が行われたその日・・・



その現場へ向かう道中に加美北の地域を通るのですが、なんと小屋が開いていて、しかもそこにだんじりの姿はなく、道路にはだんじりを曲げた時に残る『コマ跡』(いわゆるスルメ)が・・・


おっと、これはもしや、細田の入魂式に花を添えんと、加美北東のだんじりが細田の入魂式の場所へと移動しているのか?・・・




と、思ったら・・・


そのコマ跡は、あらぬ方向へとつながっており、細田の入魂式の場所から遠ざかってしまい、どこかで消息を絶っていました。




『加美北のだんじりが行方不明や!
コマ跡をたどっていったら忽然と消えた!』


細田の入魂式の場所にて、顔なじみの人たちとおしゃべりしながら、ワタクシはそんな風に語りました。

その場に居合わせる顔なじみの方々は

『どこ行ったんや?』

と不思議そう。





実は前々から、ワタクシ自身はうっすらと事情を伺っておりましてね・・・


加美北東が現だんじりを購入してから現在に至るまで使用していただんじり小屋は、シャッターガレージをだんじりように改装したいわゆる賃貸物件で、要は諸事情により持ち主から退去を迫られている・・・と。



で、5月末でその期限が切れるので、ちょっと町内のとある場所へ、だんじりを移動させた・・・と。

まぁそういう事なんですわ。

つまり、次の移転先が決まるまでの、一時預かりですな。





加美北東の関係者の方に聞いて、もう一度その『コマ跡』が途切れている場所に立ち寄ってみると・・・



確かに、だんじりの舵を大きく切った先には、だんじりが入るほどのシャッターがあり、そこはとある町工場?・・・のような建物でした。




だんじりを取り巻く事情も地域によって様々ですが、大阪市内など土地が豊富に得られない地域では、こうした賃貸物件にだんじりを格納し、持ち主に賃料を支払っている例も、少なくないようです。


さて次回は、そのだんじりの新しい小屋が完成し、いよいよだんじりがお引越しします。

その一部始終を、余すところなくお届けしましょう!(たいそうな…)
明日更新なので、お忘れなく。



今回のブログ大丈夫か?
加美北東の話題やのに、写真ほとんど細田やけど・・・


まぁ・・・そんな回もあるさ!




(次回に続く)


信濃屋お半悠遊!だんじり録
<<前の記事 次の記事>>