茶屋のだんぢり漫遊録

目次

忘れちゃいけねぇ、ここにも一つ、出番を待つだんじりがある!




西日本は、もう梅雨明けしたかのような晴天と猛暑に襲われています。

本当に今年の夏は覚悟を決めた方が良さそうですね・・・




さてさて7月に入り、夏祭シーズンが開幕しました。

その開幕を告げる、いくつかのだんじり行事のうち、6月中に行われたもので一つご紹介漏れがあったので、それをお届けしておきましょう。


こちら!



平野区加美正覚寺のだんじりが、6月26日(日)に試験曳きを行いました。

大阪市内で唯一、泉州式の曳行方法を取り入れているだんじりとして、その名が知られていますね。




だんじり本体は和泉市の信太・幸地区の王子町から平成9年に購入したもので、製作した大工や彫師などは不明とされています。



製作年代は幕末から明治の初期頃と看られ、かなりの年代物。

昭和50年代に《大下工務店》にて改修され、現在の岸和田型に近いフォルムの屋根などは、その時に交換されたものかも知れません。



もとは『擬宝珠勾欄住吉型』のだんじりと思われるのですが、度重なる改修により原型からは遠ざかり、遣り廻し仕様の上地車に生まれ変わってずいぶん久しい模様。


正覚寺の地名の由来は、このだんじりが遣り廻しのメインとしている細野の交差点から少し北東にある『正覚寺』というお寺さんがその発祥。




ちなみにワタクシが運転免許取得のために通ったドライビングスクールも、ここ正覚寺にあります。

路上教習の時には、この道をよく走ったなぁ・・・





6月やというのに気温が30度を越え、炎天下の中を行われたこの日の試験曳きでも、正覚寺のだんじりは気合いのこもった遣り廻しを何度も繰り返していました。




この正覚寺のだんじりが、現在のように泉州式の曳行方法を主体に行うようになったのは、実はこのだんじり購入当初からで、
『泉州から購入しただんじりなので…』
という理由であると聞いていますが、真意のほどは不明。




正覚寺では大正2年に先代だんじりを手放したのち、現だんじりを購入するまで80年もの間、だんじりの曳行は途絶えていました。

そこで、泉州からだんじりを購入したのを機に、泉州式の曳行を取り入れたと考えても不思議はありません。




いずれにせよ、今年も夏祭本番でも、気合いの遣り廻しを披露してくれる事でしょう。




さて、この時期に毎年このブログでは、夏祭の各地のみどころなどを紹介するシリーズをお届けしていました。


行く先々で、『今年はどないするん?』というお声がけを頂戴しましたので・・・


今年も遅ればせながら、分かっている範囲ではありますが、ご紹介しましょうかね~?


では次回からまた、今年の夏祭の各地区ごとの見どころ案内、させて頂きます~!


信濃屋お半悠遊!だんじり録
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