茶屋のだんぢり漫遊録

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合祀記念祭から早や十年・・・

 



約1ヶ月に及ぶ『大阪夏祭』が、8月1日をもって幕を降ろしました。




毎年毎年、7月から8月への変わり目は実感できない信濃屋です。

なんせ7月31日から8月1日にかけて、『大阪夏祭』の最後を飾る3つの祭礼が行われるものですから、気づけば8月に入っていた・・・

な~んか知らんけど気持ちが焦る・・・

・・・てな感じが毎年の事なのであります。



今年も知らぬ間に8月突入。
来月の今頃は岸和田の旧市および春木地区では試験曳きですよ!


早い早い早い早い早い早い早い・・・!




さて今回は、そんな1年の早さばかりでなく、10年の早さすら実感してしまう話題をお届けしましょう。


大阪市生野区・清見原神社にて、毎年夏祭の前日である7月30日に行われているのが『合祀記念祭』です。




現在の清見原神社の氏地となる各村ごとにあった小さな神社、すなわち『村社』を、清見原神社に合祀されてからちょうど百年を記念して・・・というような理由だったですかね~?
そうして始まったのが、たしか平成19年だったかな?・・・




今年、それがめでたく十周年を迎えたということで、その記念曳行が行われました。


当日の午後3時半・・・




今年の7月は比較的涼しく過ごしやすかったのですが、この月末に来て急に猛暑となりまして、この日も夕方の前とはいえ、ちょっと陽射しが肌に突き刺さる感じ。



ギラギラとした真夏の太陽が照りつけるもと、清見原神社に4台のだんじりが集結しました。


まずは記念撮影。




それからこの日のメイン、4台での連合曳きにて、記念曳行に出発です。




コースは清見原神社を出発して、片江→大友→腹見→中川と、各村の神社のあった場所を順番にめぐる形。

最初の訪問地は片江村です。




続いて大友村。

大友村の神社は現在の清見原神社なのですが、一応、村中を曳行する際は大友のだんじりが先頭を務め、村の一角で次の訪問地である腹見に先頭を譲っていました。




清見原神社を中心に、大友村は宮本、片江村と中川村もさほど離れてないのですが、腹見村だけがポツンと飛び地の様に離れているので、この腹見へ向けての道中がけっこうな距離になります。


毎年4月には『布施だんじりパレード』が行われる三ノ瀬公園の前まで進み、そこから腹見村に到着したのが午後5時頃。

真夏の陽射しはいつの間にか強烈な西陽へと変わり、眩しい光がだんじりを褐色に照らし出します。





もともと、この『合祀記念祭』が始まった当初から、いずれは4台で各村を巡ろうという案は出されていたらしいのですが、祭礼と合わせて平日開催であるがゆえに、ずっと夜に神社に集合するだけにとどまっていました。




今年、十周年を迎える年がうまく土曜日に当たったことで、昼間からの開催が可能となり、4台で各村をめぐることが実現できたと、地元の方がお話して下さいました。




腹見村にてしばしの休憩を取った4台のだんじりは、日暮れの近い午後6時半に再び動き出し、中川村を経て神社へと戻りました。


そこから、『合祀記念祭』としての神事が執り行われ、境内での囃子奉納などで集まった見物客を楽しませ、完全に夜の帳が降りた9時を前に、それぞれの村へと解散して行きました。



夏祭の前日に、清見原の4台が神社に集まるで~!

そんな情報を聞きつけて見に行ったのが、もう10年も前の話なんですね~。

時の経つのは本当に早いな・・・




そして、こうして4台のだんじりがそれぞれの村へと馳せ参じたその裏で、現在はだんじりの存在しない『大瀬村』の存在を忘れてはなりません。


大瀬に村社があったかどうかは定かではありませんが、もし大瀬にだんじりが残っていたら、清見原氏地には5台のだんじりがあったのです。


『合祀記念祭』も、さらに賑わいのあるものだった事を思うと、一抹の寂しさが伴いますね。



では今回はここまで・・・



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