夏の陽を浴びる原木

今年の夏は、オリンピックと高校野球がたけなわであります。
深夜を通してLIVE中継を見る・・・とまではしなくても、昼間からしきりに放送されるダイジェストと、ひとつチャンネルを変えれば高校球児たちの熱い闘いが繰り広げられており、アスリート達の闘いに、一喜一憂しております。
さて、前回までは大東市の御領の新調だんじりの話題をお届けしてきましたが、今回は、その新調だんじりの元となる『原木』のお話。
『原木祭』を終えた木を、まずは3つに切り分ける『胴割り』(木割り)の模様をお届けしましょうかね。
これも御領の入魂式が行われたのと同じ日の8月7日(日)、場所はとある製材所にて、それは行われました。
こちらがその原木。

どこの新調だんじりの原木であるかはちょっと明かせないのですが、まぁ・・・
勘の良い方はお察しがつくか知れませんね。
そう、滋賀県産、樹齢300年の、あの原木です。
その製材所の庭地に横たわる原木に、初めて真一文字に刃が入れられる瞬間がこちら!

こうして原木の両側にレールを設置し、指定された位置にチェーンソーの刃が入ると、刃はそのまま水平に走り、細やかなおが屑を吹きながら少しずつ歩を進めて行きます。

原木を裁断するにも色々な方法があると思うのですが、この方式は昨年の3月にお届けした、神戸市東灘区は住之江區の新調だんじりの原木を胴割りする時と同じ方式です。

とゆーか、同じ業者さんだと思われます。
この日は日曜日とあって、だんじりを新調する町の方々も製材所を訪れ、その様子を撮影したりしながら思い思いに見守っています。

数十分ほどで、刃は原木を通り抜けました。
これをもう一度繰り返し、原木は3つに切り分けられます。

真夏の青空のもと、その陽射しをいっぱいに浴びながら、原木は少しずつ、用材となるための工程を施されています。

工務店の棟梁、製材所の親方、そして実際に原木に刃を入れる職人さん、三人が口を揃えて
『ええ木ィや!』
と太鼓判。

原木は、買い付ける段階では中が見れません。
もし中に悪い部分などがある場合、この胴割りの段階で真っ黒なおが屑が出てきたり、刃がなかなか進まなかったりするそうなのですが、この木はそんな事がなく、キレイな色のおが屑しか出てこなかったという事で、それぞれの匠たちからお墨付きが出たのです。

『試しに中、見せたろか?』
と、製材所の親方がフォークリフトを出してきて、木の上の部分を持ち上げ、断面を見せてくれました。

一面キレイな色の、僕ら素人が見ても、
『これはええ木ィや!』
と一目で分かる木でした。

ええだんじりが出来そうですね!
用材としてはある程度の乾燥が必要なのですが、こうして原木を切り分けないと、内部はいつまでも乾燥しないのです。
そのための胴割りで、この後この木は、約2年間の乾燥期間を過ごします。

だんじりとして完成するのは、4年後・・・
との事です。
待ち遠しいですね~。
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