長瀬神社のお膝元でだんじり新調

堺市内で祭礼が始まりましたよ。
今日は八田荘地区、津久野地区で合同宵宮祭が行われ、JR阪和線・津久野駅前は平日にもかかわらず大変な見物客で賑わいました。
さて秋祭本番を控えているのは堺市や泉州ばかりではありません。
河内地方はモチロンのこと、奈良県や和歌山県、兵庫県でも秋祭にだんじりを曳き出す地域は数多くあります。
今回はそれら秋祭を控える地域の中から、新調だんじりをひとつご紹介しましょう。

こちらは、東大阪市の長瀬地区(広い意味で旧・布施地区)の衣摺(きずり)の新調だんじりです。
昨年11月8日に先代だんじりの昇魂式を終え、春の連合パレードと長瀬神社の夏祭はだんじり無しで過ごし、ようやく待ちに待った新調だんじりが完成しました。

先代だんじりについての詳細は昇魂式のブログに書いてありますので割愛しますが、大正2年に旭区の赤川から購入したもので、大工・彫師は不詳ながら、おそらく明治期の作品。

その先代だんじりは同じく東大阪市の鴻池に売却されまして、今年の5月3日に入魂式ならびにお披露目曳行が執り行われました。

その模様を、リアルタイムなブログではお伝えしてなかったので、この場を借りまして、ご報告に替えさせていただきます。
さて新調だんじり!
9月25日(日)・・・
この日もワタクシはスケジュールが詰まっておりましたので、早朝の搬入を狙って長瀬神社へ。

午前7時半頃、トレーラーに載せられた新調だんじりが、八尾街道を通ってきました。

神社の車両入口に通ずる道の近くでトレーラーから降ろされ、そのまま長瀬神社の境内へと運び込まれた新調だんじり。

その姿見の良さというか、ここ数年の流行りのような、いわゆる『折衷型』に近いようなシルエットではなく、至ってシンプルな『大阪型』のフォルムをしています。

この衣摺の新調だんじり、大工は《地車製作 隆匠》田中隆司 棟梁に、彫師は《辰美工芸》ならびに《木下彫刻工芸》によるもの。

見送り三枚板などは、《木下》の特徴がよく出ていますね。

こちらは土呂幕。
題材は全体的に、割と定番な感じ。

上半身の寸法の割には台木が肉厚で幅もあり、舞台柱が台の内側に入り込み、土呂幕は『抱き柱』の様な構造になっています。

かなり安定感を重視したようであります。
さて午前9時からの入魂式が始まったあたりでワタクシは次の場所へと移動しましたので、お披露目曳行はおろかお囃子すら聴かずに退散となったのでありますが、この新調だんじりが、衣摺の地で末長く愛され、事故なく活躍されることをお祈りしております。

衣摺の皆さん、この度は新調だんじり完成、誠におめでとうございます。
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