まだ紹介してない入魂式をちょっとおさらい《後編》

前回に引き続き、今回も10月の祭礼を前に入魂式を迎えただんじりをご紹介します。
泉大津市の宮本町と同じ日、同じタイミングに、大津川を挟んだお隣の町、忠岡町でも入魂式に伴うお披露目曳行が行われていました。
こちら!

濱之町のだんじりです。
こちらも今年、《大下工務店》にて修復作業がなされており、また完成も早く、5月の連休には工務店から町内へと搬入され、実は入魂式も、神事だけは先に執り行われておりました。
とゆーわけで、この日はお披露目曳行のみ。

午前8時に曳行出発しただんじりは、まずは狭い道の連なる町内を、比較的ゆっくりと曳行されます。

濱之町のだんじりは、昭和61年に《吉為工務店》にて新調され、彫師は《木彫 筒井工房》 筒井和男(嶺燁)、岸田恭司、近藤晃の各師。

筒井嶺燁 師の晩年の作品で、同師にとって最後の新調だんじり。
現在の地車彫刻界を牽引する岸田恭司、近藤晃 両師が独立する前に助として手がけた作品。
それ故、彫物の中でも特に馬乗り等は端麗ながら仕上げの丁寧さ、細やかさがあり、一体一体に岸田・近藤 両師の『片鱗』を見ることの出来る作品です。

平成8年に《大下工務店》にて修復時に大屋根枡合の彫物を彫り替え。
また平成18年にも《大下工務店》にて修復され、大屋根枡組の隅出すや松良を彫り替えられています。

今回の修復では、金綱を除く飾り物一式を新調。
その真新しい後ろ旗をなびかせながら、狭い紀州街道を疾走するだんじり。

町内をくまなく回った後は、いよいよ忠岡の祭礼コースを曳行です。

町内から南海本線の忠岡駅前へ向けて進み、駅前を折り返して紀州街道を大阪方面へ遣り廻し。

これを2回繰り返し、同じ忠岡の仲之町、道之町、生之町の出迎えを受け、無事にお披露目曳行を終えました。

前回ご紹介した泉大津市の宮本町と同じく、この日の午後は試験曳き、翌週の土日に祭礼を迎えました。
このだんじりも、濱之町で末永く愛され、大切に曳行される事を願っています。

濱之町の皆さん、遅ればせながらではありますが、この度はだんじり修復、おめでとうございます。
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