茶屋のだんぢり漫遊録

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昭和から平成の名優が、またひとつ姿を変える




一年の中で、おそらく一番寒い時期、それが2月なんでしょうね〜〜。

今年に入ってからも、いくつものだんじりが修復のために工務店へと搬入されています。

1月中には、岸和田市の大手町や西之内町も、それぞれ工務店へと搬入されていますが、ワタクシ自身は、それらの取材には出向けず。


2月に入り、またひとつ修復のために工務店に搬入されるだんじりがあると聞き、ちょいと覗いて来ました。

2月5日(日)

泉南郡熊取町・和田のだんじり。




抜魂式などは午前中から行われることが多いですが、今回は午後2時からということで比較的ゆっくり。

お昼前から小屋は開けてあるとの情報を得まして、ワタクシもお昼過ぎには和田のだんじり小屋へと到着。

この日は朝から本降りの雨で、ワタクシの到着時にはだいぶ小雨になってましたが、だんじりは小屋の中で化粧飾りを付けた状態で佇んでいました。



まだ人も集まって来てないタイミングを利用して、だんじりを鑑賞させて頂きます。



この和田のだんじりは、大正15年の製作で、大工は名門《絹屋》絹井楠次郎、彫師は玉井行陽、金山源兵衛が名を連ねております。



昭和57年《大常》古谷國夫の手により切妻造りの大屋根を入母屋造りの二重破風へと取り替え、枡組も五段から八段へと改められました。




今回、岸和田の《大下工務店》にて修復されるこのだんじりですが、腰廻り四段と大脇などの彫物以外は、ほぼすべて入れ替わるということで、昭和の終わりから平成にかけて、すなわち我々が目に馴染んだ姿見は、この日が見納めとなる訳です。




さてまだパラパラと小雨が残る中、だんじりは町内の人の手によって小屋から出され、表の道路へと据え置かれました。




ここにテントを設置し、祭壇を設置し、大森神社の神職により抜魂式が執り行われました。




神事を終えると、すぐさま搬出の準備。


化粧飾りを取り外し、鳴物道具を運び出し、だんじりを裸にします。




町内の人々も、みんなちょいと名残惜しそうな感じで、だんじりの姿を写真に収めております。




生まれ変わっただんじりが再び和田に戻って来るのは、もう祭礼前になるんですかね〜?

どんな風に生まれ変わるのか、今から楽しみですね〜。



 


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