圧巻!…中北町入魂式

あれほど寒かった今年の3月から一転、桜が満開を迎えてからは春本番。
時には初夏を思わせる気候の日もあったかと思えば、いつの間にやら4月も終りを迎え、明日からは大型連休です。
まずは訂正から!
『行事暦』にあります、南港・インテックス大阪にて開催されます『食博覧会』におけるだんじり展示につきまして、『行事暦』には期間中展示とありますが、実際には5月5日のみの展示という形に変更となりました。
他の日に会場へ行かれましてもだんじりは見れません。5月5日のみだそうです。お間違いなきよう、お願い申し上げます。
ちなみに、広大なインテックス大阪ですが、だんじりは『1号館』での展示という情報です。
さて、ブログの上ではまだまだ『春の便り』をお届けしたいのですが、その中でも、これは外せない!・・・ていうのが、こちら!

ご存知、岸和田市は中北町の入魂式であります。
もうわざわざ『旧市地区』なんていう表記も必要ないぐらい、そのネームバリューは全国に轟く中北町ですが、この度、生まれ故郷でもある《井上工務店》にて大がかりな修復が行われ、4月23日(日)に入魂式が執り行われました。

4月2日(日)に行われた上町の入魂式の時にも申し上げましたが、岸和田の『旧市地区』において、4月に大規模な入魂式が行われるのは稀であります。

町内のみを曳行する小規模なものであればここ数年も例がありますが、祭礼装束に身を包み、コナカラ坂を駆け上がっての入魂式は、本当に昭和63年以来のことでありました。

写真では午前5時半に早くも小屋を出発し、町内の献燈台を建てる場所まで曳行される風景からご紹介していますが、まぁ予想通り、この日も早朝から沿道には見物客が溢れかえります。
町会長の挨拶、曳行責任者による御神酒の献杯を経て、午前6時ほぼジャストに町内を出発しただんじりは、岸城神社へと向かうべくコナカラ坂を一家に駆け上がり、お城へ向けての遣り廻しで、あっと言う間に走り去ります。

実はこの日、中北町の青年団としての曳き手の人数は、250名とも300名とも言われていて、その人数で押し寄せる風景はまさに圧巻の極みです。
まるで昭和の終わりか平成の初期にタイムスリップしたかの様な、何とも言えぬ雰囲気。

そんな人数でコナカラ坂を駆け上がる姿は、これぞ中北町と呼ぶにふさわしいものでした。

さて、ここでちょっくら、だんじり本体のお話に移りましょうか。
中北町にとって現在のだんじりは四代目とされ、平成18年に《井上工務店》井上英明棟梁により製作されただんじりで、彫師は《木下彫刻工芸》木下賢治 師を責任者に、《木彫 松本》松本幸規 師、中山久義 師などの面々が名を連ねます。

正面土呂幕の『秀吉の香炉を盗む石川五右衛門』は、木下舜次郎が残した先代だんじりの図柄を引き継いだもので、正面土呂幕にこの図柄が彫り込まれているのはその二台のみとなっています。

平成25年に小規模な修復は経験していますが、大規模な修復は今回が初めて。

早朝から快晴に恵まれた空の下、朝日を浴びながらのお披露目曳行も、膨れ上がった人数の曳き手とともに、圧巻の曳行を繰り広げます。

宮下りをしてから一旦町内へと戻り、宮入り用の『吹きチリ』から通常曳行用の町旗に取り替え、カンカン場→貝源→堺町S字を経て紀州街道を本町→南町へ。

交差点ごとに豪快な遣り廻しを決めながら、なおかつ直線に入っても歩かず、常に走りっぱなしの曳行は、ついて走る見物客も、回り道をして追い越そうと試みる見物客も、本当に大変です。

岸和田の旧市の町並みを、まるで民族大移動のように群衆が右往左往しています。
まぁでも!・・・
ここ数年、少子化や遊びの多様化による影響で、どこの地域も祭に参加する若手が減少傾向にあり、それはここ岸和田の旧市地区も例外ではありません。
町同士の提携や応援隊を呼ぶのは致し方のない事ではあるのですが、それでもこの日の中北町のように、こんだけの人数を集めて、その人数にモノを言わせて問答無用の遣り廻しを決めながら疾走する様は、難しい理屈はヌキにして、爽快なものでした。

ワタクシのみならず、詰めかけた見物客の多くが、この日の中北町の曳行を堪能した事でしょう。
再度申し上げますが、これぞ中北町!・・・そんなものを見せてもらった感じです。
祭礼本番まではまだあと5ヶ月ばかりあるのですが、まぁ・・・あっと言う間に過ぎ去ってゆくでしょうね。
さぁ!今年の『だんじりシーズン』、完全に目覚めましたよ。
この大型連休はまた『布施だんじりパレード』に始まり、神戸市内はいよいよ祭礼本番を迎えます。
皆さんもこの大型連休、積極的にお出かけしてみてはいかがですか?
祭礼、ならびにだんじり行事にに参加される皆さんは、怪我なくエンジョイされますように・・・

中北町の皆さん、この度はだんじり修復、おめでとうございます。
<<前の記事 | 次の記事>> |