茶屋のだんぢり漫遊録

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春のだんじりピークデー《その3》北寺方編

 


暑かった5月に比べると、梅雨入りした今月は比較的涼しい気候が続いております。
まだ本格的に湿度が上がってきてないので、暑い日でもまだカラッとしております。

これがだんだん蒸し暑さを増してくると、いよいよ大阪夏祭も近づいて来るというものですが、それまでしばらくは、だんじりシーズンも中休みです。


ブログの方はそれまでの間、春の話題に終始するのですが、今回もまた、シリーズの第3弾という事になります。


4月23日(日)に行われた数多くの『だんじり行事』を見ていっておりますが、今回はこちら!



守口市北寺方のだんじりでございます。


『北寺方よりも、南寺方の方が注目の話題があるやろー!』
と仰る方もあろうかと思いますが、今回の話題は北寺方です。

この度、《泉谷工務店》にて修復されまして、4月23日(日)に入魂式ならびにお披露目曳行が行われました。




ワタクシ自身のこの日の足取りはですね~、何度も申します様に早朝は中北町の入魂式、その後西宮名塩へ走りまして、前回ご紹介した名塩中之町の地車庫竣工式にお邪魔していました。




実はその後、宝塚市内でいくつかのだんじり小屋が開けられていまして、それらのだんじりを拝見して回っておったんです。

で、午後もそのそこの時間となってから守口市へ移動しましたんで、ワタクシにとってはこの日の最後の訪問地となりましたのがここ、北寺方でございます。




なので、現場に到着したのがおおかた午後3時・・・てところですかね。

この日は我が社の撮影スタッフも、何班かに分かれてあちこち行ってましたので、ここ北寺方にも別のスタッフが立ち寄っているのですが、上手い具合に入れ替わり状態となり、ワタクシが到着する直前まで別のスタッフが居り、そのスタッフがどこかへ移動した後にワタクシが到着したらしいのです。


さてここ北寺方のだんじりですけれども、古くからのだんじりファンの方なら、『あぁ、懐かしいなぁ』と仰る方も居られましょう。



このだんじり、元は和泉市は黒鳥地区上泉(かみずみ)のだんじりとして平成15年まで活躍していただんじりです。

上泉での現だんじり新調に伴いその役目を終え、昇魂式後は町内にて保存されていたものを、平成20年に北寺方が購入、同年5月に入魂式が行われています。

もとは大正15年に、黒鳥の大工・立石庄一郎により製作されたとされ、彫物は解体保存されていた上泉の先々代だんじりのものを取り付けたとされています。



その彫物は《彫又》一門の手によるもので、『出人形式板勾欄住吉型』の形式のだんじりとして、長年にわたり曳行されてきました。




この度の修復では、その出人形式の板勾欄を、一般的な擬宝珠勾欄に改める事を主とした修復となっています。




今や貴重な存在とも言える『出人形式板勾欄』のだんじりが姿を変えてしまうのを惜しむ声もありますが、大阪系『ヂキヂンコンコン』の祭礼を行うに際し、鉦を吊るために適した形式を採り入れるのは、致し方ない事と理解しています。




ともあれ、このだんじりが地域の宝物として末永く愛され、大事に曳行されるのであれば、それに勝るものはないのではないでしょうか?




お披露目曳行は氏神・産土神社の周辺、北寺方の町内を中心に曳行されていましたが、夕刻4時頃に、某役員宅前にて据え置かれたので、入庫までは見届けずに北寺方を後にしました。




北寺方の皆さん、この度はだんじり修復、おめでとうございます。

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