信濃屋的・夏祭総括《其之貮》

大枝神社の夏祭から週が変わりまして、7月13日(木)、平野区・杭全神社の夏祭は『宵宮』。
だんじりの宮入りが行われる日は神社祭礼としては『宵宮』にあたります。

当サイトでは毎年、この杭全神社のだんじり宮入りは、翌日に『撮って出し』として動画をご覧頂いていましたが、今年は『撮って出し』という形ではなく、無理せず『なる早』で編集して動画をUPさせて頂きました。

その分、特別サービスって訳でもないのですが、12日夜に行われる『九町合同曳行』の動画も、併せてUPしてあります。

ユーザーの皆さんはもうご覧になられましたか?
猪突猛進の如く疾走する平野杭全のだんじりの姿を堪能して頂けます。
まだご覧になっておられない方は是非、当サイトの『動画館』からお楽しみ下さい。

7月15日・16日の土日は、『大阪夏祭の最大ピークデー』でした。
つまり、夏祭の大半が行われる二日間です。

ところが、ワタクシ自身はこの日、個人的にお仕事を仰せつかっている平野区の加美北東のだんじりに密着していたので、他の地域のだんじりをまったく見て回れていないのです。

この辺が、信濃屋的に
『今年の夏はあんまりだんじり見てないなぁ・・・』
と思ってしまう要因なのかも知れませんが、本当にね、この土日にどれだけのだんじりが曳行されているか、言うなれば、この土日をどんな風に見て回るか、そこが、『大阪夏祭』をエンジョイするための大きな要因であるのですが・・・

今年のワタクシは一つのだんじりに密着でした。
しかし当社撮影スタッフは、それぞれの場所へ東奔西走して撮影しておりますので、また『写真館』『動画館』をお楽しに!

7月17日(月祝)と18日(火)は、福島区は海老江八坂神社の夏祭でした。

当ブログでも何度か海老江のだんじりは、その祭礼の様子や町並みも含めて、ワタクシ信濃屋が個人的に愛してやまないものであります。

曳き出されるだんじり3台は、いずれも幕末頃に製作されたものではないかとされ、大工はハッキリしませんが、江戸時代に天満で活躍した《だんじり吉兵衛》こと、柳吉兵衛の作とも言われていますが、3台とも構造が似通っている反面、それぞれに相違点もあり、どれがそれに当てはまるのかもハッキリしません。

彫師は3台とも《相野》一門が手がけたものとされているのですが、東之町の見送り三枚板の彫物は、どうも《相野》の手ではなさそうであり、謎の多いだんじりであります。

とにもかくにも信濃屋が大好きな海老江の夏祭は、その曳き方も、お囃子も、装束も、何かにつけて『昔ながらの大阪の祭』を現代に残すものであり、木製の車軸と合わせて、時代や流行りに影響されない、ブレないところがたまらなく信濃屋の心をくすぐります。

大都会・梅田のすぐ西側に位置し、周りの都市化の波はたゆまず流れて行く中で、神社を中心とする旧村の中はいまだに昭和の町並みが残っており、こんな時代に、こんな場所で、こんな祭礼が残っている事自体、『奇跡』であろうと思えるのです。

この先どれだけ時代が流れようとも、いつまでも『このまま』守り伝えていって欲しいと願う祭礼なのであります。

2回で終わらせるつもりだったこのテーマ、もう1回だけ続けますね。
(次回に続く)
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