茶屋のだんぢり漫遊録

目次

台風一過の雨上がりに・・・




前回、雨続きでさらに台風による暴風雨の影響まで受けた今年の10月についてお話を致しました。

それを受けて、今回はそんな台風の影響を受けながらも無事に祭礼を終えれた地区をご紹介します。

ワタクシが当ブログでこの地区について触れるのはおそらく初めての、東大阪市は稲田地区でございます!




JR学研都市線の徳庵駅は、駅の西側が鶴見区、駅の東側が東大阪市に面していて、その東側の地域が稲田になります。

氏神・稲田八幡神社の秋祭として行われるこの地区の祭礼は、毎年10月の第3土日に行われます。

そう、北河内から南河内まで、河内地方を中心に無数のだんじりが曳行される『秋祭のだんじりピークデー』の中のひとつなのです。




なのでなかなか取材の足が向きにくい面もあるのですが、今年はこの地区の祭礼のメインとなる、二日目の夜のパレードの写真をご紹介しながら、この地区の祭礼についてお話して参りましょう。


そんな話を進めているうちに、写真の方は稲田北之町でございます。



今回ご紹介する写真はパレード時の写真なのでだんじり本体の細部まではご覧頂けませんが、昭和10年に大工:植山宗一郎 により製作された幕だんじりで、新調当時の彫師は木下舜次郎、昭和55年の改修彫師は松田正幸という豪華なものです。




あ、こんな感じで1町ずつ紹介してら終わらんなぁ。

今年の祭礼の話に専念するか・・・


前回のブログでも触れた通り、今年の10月は前代未聞の長雨と台風の接近により、『秋祭ピークデー』とされる10月第三土日の祭礼は、すべての地区が大雨による影響をモロに受けました。



山間部を中心とした地域では土砂災害の危険性が高まり祭礼を中止にする地区が相次ぎ、それ以外の地区でも祭礼を取りやめるか、やり通すかで判断が分かれました。


その中で、ここ稲田地区は『1週間延期』という選択をしました。



モチロン、警察の許可の関係や、祭礼に係る飲食物の発注などで、すべての地区が延期という選択が取れないという事情もあるのですが、祭礼当日の大雨のさなか、『稲田は来週に延期した』という情報をキャッチした時には、ワタクシ個人は正直に
『あ、それは賢い選択肢かもな…』
て思ったのでした。

まさか、次の週まで台風に襲われるなんて、その時には夢にもなら思ってなかったのですから。


近畿地方にも大きな被害をもたらした台風21号が去った後は、10日以上ぶりの青空が戻ってきました。
しかし、それも一瞬のこと。

週の半ばに発生した台風22号は、前の21号ほど大型ではなかったものの、21号と同じようなコースを取りながら、またまた週末に近畿地方に接近してきたのです。

台風を避けるべく1週間延期したはずの稲田地区の秋祭が、またもや台風に襲われるとは、なんとも皮肉な結果ではありませんか・・・




結局10月28日(土)も朝から一日中、雨
翌日は早朝から、以前このブログでもご紹介した和泉市は馬場之町の昇魂式



その昇魂式に伴うお別れ曳行の間はほとんど雨も降らず、風も穏やかだったのですが、昇魂式が終わるや否なやまたも雨が降り始め、お昼前にはとうとう本降りに。

午後にかけてその雨は収まるどころか、先週ほどではないにせよ またまた暴風雨となりました。




台風の進路は前回と似たようなコースでしたが、若干南寄りだった事と、それほど大型ではなかった事が、被害には繋がらなかった模様。

しかし、祭礼を1週間延期した稲田地区は結局また雨による祭礼となってしまいました。


空の神様もよっぽど意地が悪いのか、それとも何かにたいそうお怒りなのか、そのどちらかだろうと思っていた矢先・・・

激しかった雨風が、夕方頃に峠を越蹴たのか小康状態に。



そして、稲田地区の祭礼のクライマックスとなる夜のパレードが始まる前には、雨が上がりました



それからが今回ご紹介しているこの写真たちです。


ずっと雨に悩まされ続けてきた10月の各地区の祭礼ですが、最後の最後、この時間になって、ようやく浮かばれた気持ちになりました。




この夜のパレードがお天気に恵まれた事で、稲田地区としては1週間延期して正解だったと言えるでしょう。

先週に祭礼を強行していたら、暴風雨の中でのパレードとなっていたか、はたまた河川の氾濫を危惧して中止していたかのどちらかなのですから。



写真からも分かるように、稲田地区の祭礼は参加者の仮装が伝統化していて非常に華やかなのです。



この仮装の歴史は古く、かつて昭和の頃は『借り着』と言って、男性の参加者が奥さんや彼女の長襦袢などを借り、顔には化粧を施して、いわゆる『女装』をして祭礼に参加していた事が由来となっています。



そんな風習が平成に入り、奇抜な仮装へと変化していったのでしょう。
やっぱり祭礼イベントも、だんじりが曳行される日に雨はいけません。

晴れなくて良いから、せめて降って欲しくはない。
それはだんじりに関わるすべての人の共通の思いではないでしょうか?




今回のブログでは、稲田の祭礼の歴史も、各町のだんじりの紹介も、はたまた長提灯の宮入りについても、なーんにも触れずに終わりますが、それらはまたの機会にお話させて頂きます。



来月はいよいよ年末、師走に入りますが、またちょこちょこと、『だんじり行事』がありそうです。


では今回はここまでにしときましょう。



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